……………

ビッキー達が本部を出て行ってから3時間が経過していた。

今頃ふたりはキャッキャと中学生みたいに騒ぎながら、久々のプールを楽しんでいるんだろうな。

それに比べてこちらは…


「よーし!風邪を治すにはまずウイルスを倒す必要がある!ナイジェル君!この包丁で自分の中のウイルスを殺すんだ★」


このザマだ。


「すげーな…。俺、風邪ウイルスを包丁で殺そうとする医者初めて見たぞ。じゃなくて、薬とかあんだろ?そーいうのないのか?」

「あぁ、薬かい?全くそれを早く言いたまえ。えっと…確かこの辺に…ゴソゴソ…あったあった!はい、どうぞ」

「『はい、どうぞ』じゃねーよ!お前のパンツから出てきた薬なんて飲めるわけねーだろ!怒」

パリンッ!とナイジェルが壁に投げつけた薬の瓶が派手に割れる。


「ったく、看病してもらっている分際で文句が多いなぁ。あ。リッキー君、顔が真っ赤だね。熱いのかな?えっと…確かこの中に…ほら、冷却シートだよ」

「だからどっから出ちてくるんでつか!嫌だっ!パンツから出ちたチートを貼ろうとちないでくだたいッ!」

ぺちょっ!とリッキーが投げつけた冷却シートが壁にくっついた。


「君達は本当に素直じゃないね。あ、サラちゃん、ずっと寝ているからお腹が空いただろう?ちょっと待ってねぇ…」


ゴソゴソ…


ナイジェル「オメェ…それ以上サラにセクハラ行為したら、俺の持ってる風邪菌お前に全力投球するぞ」

「はい。熱々のデミグラスハンバーグステーキ定食だよ。たんとお食べ」

リッキー「四次元ポケットみたいでつね。パンツなのに…」











「うーん。看病ってなかなか難しいなぁ。僕の一族って病気した事ないし…やった事ないから要領がわからないや」

窓から外を見上げ、シリアスな表情で考え込んでいるが、
後ろから彼の背中を見ているリッキーとナイジェルの表情は体温と反比例して冷え切ってしまっている。


「お前が本当に俺達に治ってほしいと願ってるなら、来週まで近所の公園を散歩しててくれ。ところでお前、なんでナース服に着替えてんだよ」

「とりあえず形から入ろうかなって思ってさ!似合うだろう!こんなサービス滅多にしないんだからネ★」

ピンク色のナース服を身にまとって3人の前をモデル風に歩いてみるが、当然の事ながらノーコメント。


「さて、とりあえず…風邪をひいている時にはおかゆが一番!この僕が特別に腕を振るってあげよう!」


タラララッタラ〜ン♪

おかゆ製造マシ〜ン♪(ガラ声)


恐怖のクッキングを始めようとナースボビーが取り出したのは、胸あたりまであるドラム缶のような大きな鍋だ。


リッキー「また四次元パンツからつごい物が出てきまちたよ…。ドラえもんも唖然でつよ」

ナイジェル「つか、鍋デカすぎるだろ。給食か」


「えっと…まずは…お米にお水だろう。あとは…なんか白かったから小麦粉だな。片栗粉と砂糖、塩。あと確かドロドロしてたよな…あのドロドロは…そうか、洗濯のりだ!これであのドロドロが再現出来るぞ!」


「ねぇ…あの人は何を作ろうとちてるんでつか?ゲホッ」

「安心しろ…多分アレは……ヒアルロン酸だ…心配ない」

「あぁ…CMとかでよく見る……あ。なんか外国語の書いてある謎の袋のちろい粉を入れまちたよ。
ちろいちょく材ちか入れてないのに、何故か鍋からむらたき色の煙が出てまつ。魔女が鍋をグルグルかき混ぜる構図になってまつ」



「もういい…。私が作るわ。退いて…」

フラフラ状態のままサラは立ち上がり、邪魔なナースボビーを押し退けた。


「いい?ボビー。おかゆってのは多めの水でお米を炊いて、塩で味付けるだけ。

はい、出来た。食べなさい」


…グツ”グツ。グツ゜…ッ…ポコッ゜。…。


「いや、食べなたいって。たっきボビーが作ってた物と見た目同じなんでつけど」


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