「「キャァァァッ!!!!」」


スタジアムに響く歓声。

観客が熱狂し、立ち上がって大声で叫ぶ。

リッキーがバイクでゴールラインを走り抜けた瞬間に、観戦に来ていた女性達に右から左から黄色い声が浴びせられた。


“トリッキー”リッキー・スターン。


業界でその名前を知らない者はいない。

無駄のないハンドルさばきに、計算され尽くしたターボ。

細やかなコーナリングや空中制御にも長けた、バイクに乗る為に生まれたようなまさに「天才肌」

17歳という若さでプロデビューを果たし、おまけに容姿端麗という、バイク界に現れたスーパールーキーと呼ぶべき存在だ。



「キャー!リッキー今日も格好良い!」

「相変わらず強いな、お前」


ジムに腰を叩かれ、はにかみながらヘルメットを外した彼。


「いえ、そんな事ないですよ」

「こういう時は素直にありがとうって言いなさい」

サラが悪そうな顔でほっぺたをつねってくる。

他5人も相当な腕の持ち主のため、もちろん日々順位は入れ替わるが、割合的にリッキーがトップを取る確率は他メンバーより高い。


バイク界に現れた天才。

ウィンディランの5人が「リッキー・スターン」という存在を特別だと思うのも、間違いなく事実であった。


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