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……………
リッキーが本部を出てから数時間が経過し、いつの間にか外は真っ暗になっていた。
さっきまで周りを歩いていた人々が嘘のように誰もいない。
開いていた店も、今では全てシャッターが閉まっている。
小さな虫達の集まった街灯だけが、寂しく道を照らしていた。
歩き疲れて公園のベンチに座り込んでいた彼は、設置されている時計を見上げた。
深夜1時。
誰も周りにいるはずなんてないか。
通り過ぎていた大人や子どもの笑い声が、俺のこの複雑な気持ちを紛らわせてくれていたのにな。
なんだかひとりになると、無性に孤独を感じてしまう。
仕方ないと、膝に力を入れて重い腰を持ち上げた。
帰ろう。
辞めると決めたのなら、せめて最後までは責任を持たないと。
明日皆と顔を合わせるのは正直辛いけど、これでジム達に会えるのも最後になるんだ。
せめて…最後までは一緒にいなきゃ。
「お別れ会とか…してくれるかな」
リッキーは疲労した足を再び動かし、本部へと戻り始めた。
たくさん並ぶ街灯の中に、電気が切れかかっているものが一本。
危なげに点滅して、それでもまだ残る力を振り絞って薄い光を放ち続けていた。
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