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……………

カーテンの隙間から漏れた光が頬に当たり、ジムは目を擦った。

敷布団が硬くて首が痛い。

あぁ。昨日うっかりソファーで寝てしまっていたのか。

彼は痛みの残る首を抑えながら、上半身を持ち上げた。


「あ!フィリップ、起きた!」

「ジムだ。朝っぱらから人の名前を間違えるな…」


周りを見るとボビーもサラもナイジェルも既に起きていた。

しかし肝心のリッキーの姿はない。


「リッキーは…やっぱり帰ってないのか」

辛い現実を思い出し、頭を抱えた。

昨日のアイツの辛そうな顔。

真夜中ずっとひとりきりで…恐がりなアイツの事だ。

きっと凄く寂しかっただろうな。


するとそんなジムを見て、ナイジェルが手前まで歩いてきた。

黙って差し出したのは一枚の白い紙。


「なんだ、こ…」


 

『必ず帰って来ます』




紙に一行だけ書かれた文字。


「朝起きたら、これがテーブルの上に置いてあった」


この字は間違いなく、リッキーの書体。

アイツは帰っていたのだ。

そしてこの手紙を残して、またどこかへ消えていた。


「貸せっ」

ナイジェルの手からその置き手紙を奪い取り、ジムはもう一度その文章を読み返した。




『必ず帰って来ます』




この言葉にはきっと彼の様々な思いが込められているに違いない。

自然と手に力が入り、紙の端がグシャグシャになってしまった。


「リッキー…」


その紙をナイジェルに返し、ゆっくりと立ち上がった。

仲間4人が周りに集まって、リーダーである彼の指示を待っている。

それぞれ全員、思いは同じだ。




「お前達に話したい事がある」


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