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……………
その後、リッキーは傷だらけの格好で本部へ帰宅。
目の横に青いアザ。
内出血して口が切れて、洋服は血で汚れ、手足に擦りむいた跡が数ヶ所。
その姿を見たビッキーの叫び声が言葉に出来ない程凄まじくて、全員一時トラウマになったそうだ。
その翌日、リッキーは電話口で理事長にこっぴどく叱られ、壁に向かって何度もペコペコ頭を下げていた。
カンカンに怒っている理事長の向こう側から「若いからねぇ。いいじゃないの、青春♪」
なんてヘラヘラ笑っている社長の声が聞こえる…
その後、彼をなんとか説得する事に成功し、今後のレースの出場も許してもらえたようだ。
・
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ブォォォッ!!!
『来た――ッ!ベストタイム一着でゴールしたのはリッキー・スターン選手!一時調子が悪かったようですが見事完全復活だぁ!』
「「キャァァァァァ!!!」」
興奮気味のアナウンスと女性観客の声が耳に痛い程響く。
ヘルメットを外したリッキーは、顔中絆創膏だらけながらも彼らしい笑顔で周りに手を振っていた。
「リッキーすごーい!」
「ったく、相変わらず強いなお前は」
周りに仲間達が集まってきて、彼は照れながら頭を掻く。
「いえ、そんな事な…」
「リッキー。教えたでしょ?そういう時はなんて言うの?」
「………ッ…」
この大歓声の中。
小さく息を飲み、その瞬間に喉が動いた。
目が潤んで、今にも泣いてしまいそうな顔をしている。
「ありがとうございますっ…」
涙が溢れてしまう前に、リッキーはそのまま先輩5人に飛びついた。
どんな事があっても手放したくない仲間。
俺は…
もう二度とこの場所から離れない事を誓い、
それと同時に
大切な先輩、バレルにも
いつかかけがえのない、
こんな温かい存在の人が現れる事を
俺は願ってるよ。
fin
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