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……………
第2段落 〜鬼退治へ出発〜
サラ「さて。第1段落が昔話の夢も欠片もないクソ真面目な疑問だけ残して終わったから、ここからなんとか巻き返してもらわないとね。日晴君、頼んだわよ」
「オッ!俺っすか!?シャァ、任せてください!」
肩をグルグル回して立ち上がった、桃太郎迷走、第2走者・日晴。
隣で雪之原が笑いながらブツブツ何か言っている…
サラから作文用紙とシャーペンを受け取り、彼はメラメラの戦闘モードへ突入している。
ビッキー「日晴君が書く担当の場面は、
おじいさんとおばあさんに大切に育てられた桃太郎は立派な男の子に成長。
ある日、鬼ヶ島にいる悪い鬼の噂を聞き、お世話になったおじいさんとおばあさんや村の人々の為に鬼退治に行く決意をしました。
こんな感じだよ!」
「桃太郎が正義に目覚め、一番闘志燃え上がってる時期っすよね!どんどんインッ…イッ…スピーションが浮かんでくるっす!」
「インスピレーションですね」
リッキーの笑顔の突っ込みも聞こえないらしく、日晴は手早く文字を綴り始める。
『桃太郎はおじいさんとおばあさんの愛情でスクスク育ち、立派な男の子になりました。
マジで…感動したっす!
桃から産まれた赤ん坊でも、ここまで勇敢な勇者になれるなんて…そう考えたら自分のちっぽけな弱さを改めて実感させられたっす!!
そして桃太郎は鬼ヶ島の鬼の噂を聞いて「おじいさんとおばあさんへの恩返しの為に、その鬼を退治しよう」と決心しました。
なんて良い息子なんでしょうか!
そんなジジィとババァへの恩返しなんて、その辺の茶でも送ってやればいーのに
まさかの「鬼退治」だなんて命を賭けた決断…俺には無理っす!!!煤x
「ストッ―――――――――プッ!!煤v
即座にジムは日晴からペンを取り上げた。
「ちょっと!何するんすか!」
「え…っとねぇ…君はちょっと力入りすぎ。
国語の作文に『俺には無理っす!!!煤xは、さすがにおかしいから。
しかもおじいさんとおばあさんの事、途中から『ジジィ』と『ババァ』って…」
「この胸の中にある熱いモンを、そのままこの紙にぶつけないと、真の感想文なんて書けるわけないじゃないっすか!」
熱い…
なんでコイツは太陽みたいにここまで熱いんだ。
そしてさっきから後ろでずっと笑って何か言っている雪之原が気になる。
「ゴホン…わかった。(言葉遣いが変な所は俺があとで直しておこう)じゃぁ、続きを書きたまえ」
ボビー「なんで僕の口真似をしてるんだい?」
『俺の胸の中には熱いものが込み上げくるっす!
桃太郎の強さに優しさ…男の原点がここにはある!
剣を振り上げ、自分よりずっと大きな体の鬼に全身全霊で立ち向かう。
自分自身の中で葛藤を繰り返し、真の強さを身に付け、そして勝利を掴んだ桃太郎は…』
ジム「馬鹿かお前は!!なにもう鬼を退治しちゃってんの!?まだ家から出たばっかなのに!」
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