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……………
「バッ…バレルさん、大丈夫ですか!?」
彼が倒れている不良に背を向けると、ローラが慌てて駆け寄ってきた。
目にはまだ涙が溜まっており、手に震えが残っている。
「血が出てるじゃないですか…!見せてください!」
「いい」
「ダメです!早く病院に…」
「………。」
眉間にシワを寄せて見てくる彼に、ローラはビクンと体を小さくして取り出したハンカチを引っ込めた。
「ご…ごめんなさい…」
「…………。」
髪に隠れてあまり見えなかったが、金属バットで殴られた部分はぱっくりと割れて血が出ている。
でもこんなお節介な行為、ケンカに慣れている彼からすれば迷惑以外の何ものでもないのかもしれない。
それに結局は自分のせいでこんな不良の人達に目を付けられてしまい、彼に怪我を負わせてしまった。
私は背中で隠れていただけの邪魔者でしかなくて。
「…………。」
しゅんとしている彼女を見ても、バレルの眉はピクリとも動かない。
その視線は冷たい瞳のまま。
しかし
「あっ…」
手は動いていた。
ローラが持っていたハンカチを奪い取り、勝手に頭の血をそれで拭き始めたのだ。
「あの…」
「なんだ?」
「あっ…いえ…」
ハンカチは彼の鮮血ですぐに真っ赤になり、彼女はまた少しだけの恐怖にかられドキッとしてしまう。
するとある程度拭いた所で、バレルはそのハンカチを彼女に返す事もなく、自分のパンツのポケットに突っ込んでしまった。
「っ…。あの…」
「新しいのは俺が買う」
「えっ…?」
ローラの頬がポッと赤くなった。
今、なんと…?
「行くぞ」
「……っ…あ…バレルさん…!」
人の話も聞かずに勝手に歩き出す彼の背中を一時ポーッと見つめ、
その後、我に返り慌てて追いかけ始めた。
やっぱりこの人は、心の底から悪い人じゃない。
無口で人を睨む目は怖いけど
それは…本当の自分を隠そうとしているからじゃないのか。
ローラにはバレルの背中がそう見えていた。
初めて身に染みた、この熱く気持ちが高ぶってしまう感情。
私は…
彼に夢中になってしまいそうです。
ダダダダダダダダダッ…!!
「…ん?」
後ろからこちらへ全力で駆けてくる足音。
それが耳に入ってローラが振り返ると、見知らぬリーゼント学ラン姿の男が…
手には…何故かフライパン?
そんな「怪しい」を絵に描いたような男が、闘牛のごとく猛スピードでこちらに向かって走ってきていたのだ。
「バレルーーーーー!!
よくやったぁ!
命がけで我が妹を守ってくれるなんて
さすが俺の義弟だぁっ!!」
どんどんこちらに近づいてくる謎の男。
…っ!?
まさか、さっきの悪い人達の仲間!?
あの格好…!
それ以外考えられないっ…!!
「キャァァァ!バレルさん、危ないぃっ!!!」
ボッコ―――――――ン!!!!!
ドサッ…
5人「「お客様ぁぁぁぁぁッ!!」」
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