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「バレル、今日はありがとう!ごめんね、いきなり無理にお願いをしちゃって」
「全くだ」
ローラがいなくなって、リッキーはとりあえず付き合ってくれたバレルにお礼をする。
「とか何とか言って、本当は結構楽しんでたんじゃねーのか?」
「うるせぇ、暇人共が」
「相変わらずおっかねーな」
ナイジェルがケラケラ笑うと、バレルはその表情のまま舌打ち。
「はは。じゃぁ、今日はどうして途中で帰らなかったの?」
「……っ」
「バレルが女の子とのデートに最後まで付き合ってあげたの初めてじゃん。今まで頼まれても途中で帰ってばっかだっ……ムゴッ!」
リッキーの口(というか顔の下半分)が大きな右手で強引に掴まれ、言葉が遮断された。
「ムゴゴゴッ!」
「…………。」
聞かれたくない過去なのか。
どうやらバレルにとってこの手の話は初めてではないらしいが、話を聞く限りではこの男も満更でもなかったというわけか。
見ていた5人は密かに笑ったが、いつもの倍以上の怖さの顔で睨み付けられて思わず何故か同時に両手を上げた。
「まぁとにかく。今日の件に関しては本当に感謝してる。ありがとうな」
電車の発車する音が響く、騒々しい駅の中。
周りを人が多く行き交う中、改めてジムはバレルの前に立った。
「貴様にとやかく言われる筋合いはねぇ」
「いや、あるある!少しでも妹の幸せな顔を見られただけで俺は大満足なんだ。ローラも今日の事は多分一生忘れないと思うな」
「…………。」
眉間にシワを寄せてバレルがジムの顔をじっと見ている。
「…ん?なんだ?」
「…………。」
パッと見、またくだらない事を…と、睨み付けているのかと思ったが、普段の顔とは若干違う。
何度か瞬きを繰り返している。
「あ!もしかして今の俺の言葉に感動して涙が出そうになってるのか!?いいぞ、泣きたいなら泣…」
「あの女…ローラというのか?」
「…………。」
その言葉にジムの眉がヒクヒクと動き…
「貴様のようなクソガキはローラの半径5キロ以上離れた場所で、全身ボビ刺しの刑だぁぁぁッ!!怒」
リッキー「わっ!ジム落ち着いてください!」
ビッキー「フライパン振り回しちゃダメ!誰か、ロッキーを止めて!」
サラ「ってか『全身ボビ刺しの刑』って何!?」
ボビー「僕が全身に刺さるんだよ」
ナイジェル「待て待て待て!怖い怖い!あああああああ!!!!」
fin
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