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「サラァッ!!」
ガシャァァンッ!
サラが休憩室でうたた寝をしていると、ビッキーが動物の雄叫びに近い声を上げながら部屋の中に入ってきた。
「うわ、ビックリした…。毎度毎度騒がしいわね。もうちょっと落ち着いて行動出来ないの?」
「うわぁぁっ!どうしようどうしようどうしよう!」
彼女はサラの言葉に返事をするわけでも落ち着いた行動をするわけでもない。
ただテーブルに伏せて、いつもより1オクターブ高い声で泣き喚いている。
「どうしようって…ノブを握る事なく体ごと突き破ってきたアンタが悪いんでしょ?修理代は自分で払いなさいよ」
「違うよ!そんな事どうでもいいんだって!」
「ドアにドデカい穴開けといてどうでもいいって。一体何だっていうのよ?」
そこで伏せていた顔が小さく上を向いて出てきた。
「告白された」
「は?誰から?」
「チャーリー…」
「誰よ、チャーリーって……あ」
瞼を何度かパチパチ動かすサラ。
その脳裏にある男の顔が浮かび、まさか…と声を漏らした。
「ジム?」
「う…うんっ…」
ビッキーの声は微かだったが、確かに首を縦に振る。
数秒経った所で「はぁ」とため息をつき、近くに置いてあった漫画本に手を伸ばすサラ。
「ちょっと!?真面目に聞いてる?」
「告白されたって…前からアイツは結構そういう雰囲気出してたじゃない。アンタだって知ってたでしょ?ジムが自分の事好きなんだって事」
「ま…まぁ。でも!でもね!いざ真正面から面と向かって言われると…その…頭の中が真っ白になるっていうか…」
「いいじゃない。付き合ってみなさいよ」
「他人事みたいな言い方しないで!私…もうっ…意味がわからないぃ!」
ビッキーがテーブルに頭を何度もぶつけると、部屋に地鳴りのような音が響く。
そして10回目程でテーブルは真っ二つに割れた。
…私にとってみたらその頭蓋骨の強度の方が意味がわからない。
騒がしい彼女を見て、サラは再び大きなため息をついた。
恐らくこの子もジムの事が好きなんだろうけど、それを自分の頭で理解しきれていない。
ずっと「仲間」としてグループ分けされていた人間を、いきなり「恋人」に変換するって事は、誰にとっても難しい事だと思うから。
とりあえず今は、どの言葉をかけたって泣き喚かれるだけで何も頭に入らないだろう。
「わかったわ。とりあえず貴方は部屋に戻ってゆっくり休みなさい」
「う…うんっ。ご…ごめんね、いきなり変な話して!」
「気にしなくていいから。ちゃんと夕飯には顔を出すのよ」
「わかった!じゃ…じゃぁね!」
ガシャァァンッ!!
ビッキーは今更恥ずかしくなったのか、真っ赤になった顔を両手で抑えて休憩室を飛び出していった。
ドア…開ける気がないなら、せめて同じ穴を通って出ていきなさい。
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