……………

サラは一旦ジムに話を聞こうとメインルームへ足を運んだ。

そこには既に彼と、その周りを取り囲んでいるナイジェルとリッキー、そして怒り狂っているボビーの姿が見えた。


「何やってんの?」

「あ、サラ!聞いてくださいよ!ジムがついに…」

「さっきビッキーから聞かされたわよ。それにしてもいきなり告白したなんて、地味ー…あ、間違った。ジミーにしてはどうしちゃったの?」

「ジミーも間違ってるから(怒)いや…その…ついな…そんなつもりなかったんだけど……何かの拍子に口からポロッと…」

ジムは相手と目を合わせず、口をもごもごと動かす。

聞き取りにくい。

ちょっと照れている姿を見るのが面白いのか、ナイジェルはからかうように笑った。


「しかも俺達が周りにいる中でな。堂々と『ヤらせてくれ』だなんてビックリしたよなぁ」

「言ってねーよ!そんな事!」

「あらぁ…それじゃビッキーちゃんが泣き叫ぶのも無理ないわねぇ」

「何コイツら!ムカつくんだけど!殺(や)らせてもらってもいいかな!?」


そこで「まぁまぁ、落ち着いてください」と、仲裁役のリッキーが立ち上がったジムを再びソファーに座らせる。


「…で、サラ。ビッキーの様子はどうでしたか?」

「言った通りよ。泣き叫んで今は部屋にこもってる」

「そうですか」


会話が耳に入って、本人もばつが悪そうに視線を床へ移す。


「ま。あのビッキーの事だから、明日には全部忘れて普通に出てくるわよ」

「そうかな?」

「当たり前じゃない。アンタから怒られてムカついた日も、アンタが叱られて落ち込んでる日も、
アンタが食中毒で入院した日も、アンタが階段から落ちて入院した日も、アンタがストレスで入院した日も…ビッキーの態度が変わった事あった?」

「例え変じゃない?後半俺、入院しかしてない」


そこでナイジェルがフーッとタバコの煙を吐き、ジムの背中を慰めて叩く。


「ま、そーいう事だ。空気同然のお前から『好きです』の一言言われたくらいじゃ、アイツは何も変わらねーって事」

「あんまり気にしない方がいいですよ。元気出してください」

「あぁ…まぁ…そうだな」


それは良い事なのか、男としてショックな事なのか。

脳内を整理出来ずに頷いてしまったけど、彼の中にはまだモヤモヤが残っている。

とりあえず、なんとなく笑った顔を見せてみた。




ボビー「うがぁぁぁあっ!なんで皆僕を無視するのかい!?僕は認めないよ!?
何故なら僕は君の何百倍もビッキーちゃんの事を愛しているから!
僕は毎日告白しているのに、何故誰も注目してくれないんだい!?
何故僕の告白をフューチャーしないんだい!?」


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