……………

「ビッキー。これ…来週のレポート」

「あ…うん」


あの告白事件の翌日。

ジムからレポート用紙を受け取ったビッキー。

普段ならここで「アンタ何この字!」や「期限忘れたらペナルティな!」など、中学生みたいな貶し合いやビッキーが延々とリッキーの話をしたりと、とにかく話題が絶えなくなるふたりなのだが…


「じゃ…そういう事で…」

「あ…はい」


すれ違うようにジムは自室へと戻り、ビッキーもいつもは全く読まないレポート用紙を読み込み始める。

おかしな光景だ。




……………




「ビッキー。来月のミーティング、ジムと一緒に出てくれませんか?俺、丁度その日に別の用事が入っていまして」


リッキーが部屋を訪ねて来ても、彼女は全く嬉しそうではない。

ただただ困惑した表情で、意味もなく辺りを見回している。

普段なら「リッキーとじゃないと会議出たくなぁ〜い!」など駄々をこねるばかりなのに。


「サラとか…ナイジェルは…空いてないの?」

「え?いや、わからないです。訊いてきましょうか?」

「いやっ!いい!私が直接交渉してくる!」


愛しのリッキーをほったらかし、ビッキーはサラの部屋へ走る。

どうやら、なにがなんでもジムとふたりきりでは出かけたくないらしい。

小さく息を吐き、眉を八の字に歪ませた彼。

あ、そういえば候補からボビー…外されてたな。



……………




レース終了後。

先程まで大いに盛り上がっていたスタンドも、今は客全員がいなくなって静かになっていた。

この時間は片付けも完了し、全員が仲良くバイクを倉庫へ戻す時間帯だ。

もちろんいつもは、くだらない話題の絶えない6人なのだが…


「…………。」

「…………。」


普段一番喋る奴らがまさかの無言状態。

気を遣ってしまい、サラやリッキーも話さない始末。

もちろんナイジェルだって自ら積極的に話す柄ではない。

唯一ひとりで口を開いているのは、奇跡のKY男・ボビーだけだ。



「サラちゃん!マメツブヘッドモードって知ってるかい?」

「いや…知らない…」


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