……………

このクラウディさんという男の人。

七音君のお友達みたいだけど、彼みたいに強く引っ張る事もなく、むしろ紳士的にエスコートしてくれる。

痛くないように優しく手を引いてくれるし、私が追いつけるスピードで、しかも車道側を歩いてくれる。

途中私が寒いと独り言を漏らしたら、どこからか取り出したカイロをくれた。

男の人と接するのは正直苦手な私だけど、なんだかこの人はすんなり私の中に入ってきた。

まるで最初に出会った七音君と同じ。不思議な感覚。

どこに行くかはまだ教えてもらっていないけど、悪い人じゃなさそう。


手を引かれて15分。

ようやく目的地へ着いたらしい。


「ここは…」


10階建ての建物を改めて下からグイッと見上げる。

ここは先日、七音君に連れて来られた、この人達の音楽事務所だ。


すると横に立っていたクラウディが背中を軽く押してきた。

「中に入って」という合図だろう。


ここは私もこの間来たばかりなのに。


何をしたいのかわからないまま、エマは建物に入った。


- 405 -

*PREV  NEXT#


ページ: