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ガシャァァァァンッ!!!
休日、午後3時のウィンディラン本部。
一階のどこかの部屋から、物が崩れ落ちる大きな音が鳴り響いた。
「あーあ。ついに壊れちゃったかぁ」
「グッ…うぅ……あーあ…ってお前っ…」
立っているビッキーの前にはセールで買った服や美容グッズ、ぬいぐるみなどが大量に床に山積みになっている。
そしてその山の一番下には人間の手が。
「パステル、大丈夫ー?」
「パステルじゃない、ジムだ!」
顔を出した頭には丁度良くリボンのヘアアクセが乗っかっていたが、彼はそれを気にする事なく大声でビッキーを怒鳴りつけた。
「クローゼットの前に立ってたら、いきなり目の前が真っ暗になって息が出来なくなったぞ!?どうなってんだ、お前の部屋は!」
「収納してる物が多すぎて、いつか爆発するかなぁって思ってたけど。凄いね!予期してたの?」
「なんで俺がお前の部屋のクローゼットが爆発する事を予期してスタンバイする必要があるんだ!?不慮の事故に決まってるだろ!」
あらゆるものを退けてようやく立ち上がったジムは、改めて足元を見た。
リボンは頭に乗ったままだ。
「ハァ。よくもまぁ、これだけの服やなんやら買い集めたな」
「女の子は可愛いお洋服買って綺麗なアクセ買って…とにかくお買い物しなきゃ死んじゃう生き物なんだよ!」
「そうか…。女子は大変だな、そんな事で死んでしまうなんて」
感情のこもっていない言い方の後、ジムは落ちていた何着かの服を手に取ってみた。
目が痛くなるようなピンクと青の派手なキャミソール。
肩から胸元まで大きくあいた黄色のシャツ。
下着が見えてしまうんじゃないかと思うくらい短いミニスカート。
背中がほぼ全て透けているワンピースドレス。
目を通す度に男の眉間の溝は深くなっていく。
「お前はどうしてこう、肌の見える服や目立つ色の服ばかり着るんだ?」
「え?」
質問に対して目を丸くして首を傾げる彼女。
「だって、少しでも可愛くして周りの人に見てもらった方がいいじゃん」
「それはそうだけど。えっと…なんというかな…可愛い服を着るのは全然いいんだけどな。こういう肌が露出する服は…」
「何?私はこういうの着ちゃいけないっていうの?」
彼女の反論にジムの表情に焦りが見え始める。
若干頬も赤くなってきているようだ。
「少しならまだいいけど、胸元とか生足とかが出ると…その…色んな男が見るだろ?」
「………ッ」
「その…だから?…他の男にあんまり変な目で見られたくないとか…俺としてはそう思うから…」
照れているのか、目を合わせずに意味もなく頬を掻く。
どうやら自分の恋人が、他の男から嫌らしい目で見られる事を良く思っていないらしい。
「……………。」
マズい。
怒ったかもしれない(苦笑)
「あの…この建物の中なら構わないぞ?外でだけって話だ」
「わかった」
「………え?」
案外すんなり返ってきた言葉に、彼氏はピタッと頬を掻く動作を止めた。
「わかったのか?」
「ケインがそこまで言うのであれば、こういう洋服減らすよ?
もうっ!そうならそうと最初から言えばいいのに!」
「…あぁッ…そうか…///」
ジムの口の端が若干プルプル震えている。
「どうしたの?」
「いや。思ったより素直に言う事聞いたから」
「なんでニヤニヤしてるの?」
「ニヤニヤ!?しとっ…してるわけないだろ!///ほら、この散らかってる物を早く片付けるぞ!」
おかしな心情を隠すように、彼は床に手を伸ばし始めた。
「本当にこれ全部捨てていいのか?」
「うん。まだ倉庫にたくさん保管してるから、それくらいなら別にいーよ」
コイツ、俺の何を聞いてたんだ…。
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