「ねぇ!エマちゃんの歓迎会やろーよ!」


大事な音合わせの最中、突拍子もない発言をしたのはマイクを握った美空だった。


「ん?どうしたんすか、美空さん?俺の音ズレてたっすか?」

「違う違う!エマちゃんの歓迎会ってまだやってないでしょ?今日やろうよ!」


全く関係のない歌をハモっている途中、急に出てきた言葉だったので、仲間達はまずその内容から理解するのに時間がかかった。

「気分屋」という成分を究極に凝縮した脳を持つ彼の提案だ。

雨宮もギターの音を止め、「また…」といった表情に切り替わる。



「七音。音合わせ中だぞ。プライベートな話は後にしろ」

「いーじゃん!練習はいつでも出来るけど、エマちゃんの歓迎会は彼女が仲間に入った今しか出来ないんだよ?」




「…どうっ…したの?」

座って5人の様子を眺めていたエマも、突然演奏を止めた状況に気がつき、椅子から立ち上がって近づいてきた。


「あっ!エマちゃん、エマちゃん!」


急いで今言った内容を携帯に打ち込み始める美空。

雨宮はそんな彼を見て何百回目かわからないため息をまたついてしまう。



『今日、エマちゃんの歓迎会をやろうって話してたの!空いてるよね?』


「…かんげっ…!?」


やはりあまりに唐突すぎる提案。

練習中にこんな話を始めていたなんて想像していなくて、彼女も驚いて目をパチッと見開いた。


「そんなっ…!いいでッ…す!」

「そんな事言わないでさぁ!せっかく仲間になったんだし!」


そんな…。

七音君が勧めてくれた事もあるが、ほとんどは半ば強引に仲間に入ったようなもの。

そんな私が歓迎会をやってもらうなんてとんでもない。

エマは他の4人にも申し訳なくて、必死に首を横に振った。



「遠慮しなくていいからっ!」

「七音。彼女も嫌がってるだろ。やめろ」

「えー?ミヤ君は歓迎会やりたくないの?」

「そうは言っていないが、彼女にも色々と事情が…」


「じゃ、この中でエマちゃんの歓迎会をやりたい人〜?」


美空が手を上げて同志を探したら…


日晴「いいっすね!俺やりたいっす!」

雪之原「僕もさんせ〜い。楽しそぉ」

クラウディ「………♪」


ほら、やっぱり。


「はい、多数決4対1で『やる』に決定ー!ほら見て!ディがドラムスティック振り回して喜んでるよ(笑)」


雨宮「別に僕も反対をしていたわけじゃない!ただ、あまりに急だったからな…」


美空の携帯『今日の夜、ミヤ君の家でお泊まり歓迎会やるから!一緒に行こうね☆』


雨宮「僕の部屋(しかも泊まり込み)でやるのか!?聞いてないぞ!オイ、七音!」


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