……………

新しく仲間に加わったエマの為に、歓迎会を行う事になったweather life一行。

雨宮の家(しかも泊まり込み)で行う事には決まったが、現在彼の自宅にはパーティー用の食材がないらしい。

あるもので構わないと言ったが「やるからには中途半端な料理は出せない」という雨宮の言い草で

とりあえず食材調達の為に音合わせ作業を早めに切り上げ、5人は近くのデパートへ足を運んでいた。



やってきたのは「グリーンレタス」という近所の主婦に人気の地下食材売り場。

もちろんレタスしか売っていないわけでははない。



「ねぇねぇ!何作る!?」

仕事も早めに終わり、心躍る楽しいイベントが始まるとあってか、美空はカートに買い物カゴを乗せてルンルン気分で仲間に問いかけた。

…こっそりクラウディが美空からカートを奪った。



「やっぱパーティーっつったら、皆でテーブルを囲んでつつき合う鍋パーティーっすよ!」

最初に提案を出したのは日晴だ。


「鍋には少し時期が遅いんじゃないのか?」

「雨宮さん、細かい事は腹に入れちまえば一緒なんす!キムチ鍋にしましょ!」

雪之原「えぇ?辛いのイヤぁ。甘いのがいい。かき氷鍋にしようよぉ」

雨宮「それはもはや、ただの甘いお湯だろ。そうだな…鍋か…」


少し考えた彼は携帯に文字を打ち込み、隣を歩いていた彼女に画面を向けた。


『鍋にしようという案が上がっている。エマは何が食べたいか教えてくれないか?』


美空「肉入ってりゃ何でもいい!」

雨宮「お前には訊いていない」


「…わたっ…私はっ……皆さんが…作って…くれるもの…なら…なんでも…」


相変わらず謙虚な言い方のエマ。

そこでカートを押しているクラウディが雨宮の背中を軽く叩いてきた。


「どうした?クラウディ」


彼が指差しているのは、オススメの食材コーナー。

そこには大きな広告の看板が掲げられている。


『今夜のメニューはすき焼きでいかがですか?
只今お肉とたれが通常価格の半額!
今が買い時、皆で一緒にすき焼きを食べよう!』

そのカラフルな文字の下に、煮えて美味しそうな鍋の写真、
子どものキャラクターが肉を頬張るシーンが描かれている。


「すき焼きか。肉も入っているし…しかも値段も手頃だな。よし、これにしよう」


という事で気が利くクラウディのおかげで、歓迎会のメイン料理はすき焼きに決定。


「必要な具材は牛肉に長ネギと白菜、糸蒟蒻と椎茸、豆腐…あとは春菊とか…」

雪之原「僕、椎茸キライ〜」

雨宮「我が儘を言うな。よし、早速牛肉コーナーから順番にまわっていくぞ」

美空「ミヤ君、チョコレート買っていい?」

雨宮「チョコレートは鍋に入れないからダメだ」



そんな会話を繰り返しながら、眼鏡のお母さんを先頭に、買い物カゴに次々食材が入れられていく。

リピート再生される頭上の「グリーンレタス」テーマソングを聴きながら、6人は次の野菜コーナーへ辿り着いた。

白菜や春菊を入れれば、ある程度の食材は揃う。

雨宮は白菜の山から2玉ずつ程を手に取り、どの品が綺麗で良い品かひとつずつ見極めていく。


「これは葉に若干虫食いがあるな。これは綺麗だが他の白菜よりも少し小さい。同じ値段で買うのは勿体ないよな…

七音、お前はどう思っ…………ん?」




振り返ると、美空どころか自分の後ろに誰ひとり立っていない。

さっきまで全員後ろにいたはずなのに。






……………


美空「ヒーちゃん!見て見て!このシューティングゲーム超面白いよ!ちょっとやろうよ!」

日晴「最新のゲーム機じゃないっすか!いいっすね!やりましょ!」


……………


雪之原「やっぱり鍋にはアイスが一番合うよねぇ。えっとぉ…バニラでしょぉ、チョコレート、ストロベリー…
あ、この新作マンゴー味だぁ。お買い上げぇ〜」


……………


クラウディの携帯『このクッキー美味しいよ。家に着いたら一緒に食べよう?』

エマ「…ッ……ヌメヌメ…しけっ…てる……」

『濡れてる日本のクッキーなんだ。甘辛くて美味しいよ』

エマ「………うん…」


※クッキーではなくせんべいです。


……………



問題児3人は途中で飽きてしまったのか、買い物を全て雨宮に任せて別の場所へ遊びに行き、

クラウディもエマを連れてお菓子売り場にいた。



「…もうアイツらには食べさせん」



雨宮はひとり寂しく、選んだ白菜をカゴに入れる。


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