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……………
カチャンカチャン
食器を拭く担当の雪之原が最後の一枚を拭き終わり、それを棚へ収納する担当の日晴の作業が終わり、
キッチンは来た時同様の綺麗に片づけられた空間へ戻っていた。
「ん?七音は?」
作業を終えて改めて周りを見ると、一緒に片づけをしていた美空がいない。
「あー…トイレ行ってくるって言って、戻ってきてないねぇ」
「奏。それは何分前だ?」
「ん〜…20分前くらいかなぁ」
サボった。
間違いない。完全に逃げた。
「お前な、七音の『トイレ』は逃げ出す合図だと前にも教えただろう」
「人聞き悪いなぁ(笑)だってここで漏らされても困るでしょぉ?あははは」
「笑い事じゃない」
ジャアアアアアアア…
雪之原「あ〜、ほら漏らしたぁ」
日晴「違うっすよ、雪之原さん。風呂場からシャワーの音が聞こえるっすね」
雨宮「エマが入ってるからだろ」
雪之原「えぇ?エマっちならもう出てるはずだよぉ?さっき風呂場の扉開いてたしぃ」
日晴「覗いてないっすよね、貴方…」
その言葉を聞いて、ある状況が男の頭をよぎる。
間違いない。
「七音か…。あれだけ言ったのに、片付けをサボって先に風呂に入ってるんだろう」
「あはは。やっぱりそうかなぁ?」
「はぁ…もういい。僕が行ってくる」
雨宮は美空だと確信を持ってキッチンを出た。
何度言っても効果がない事は知っていたが、それでも言わないとこちらの気が済まない。
脱衣所の扉を開け、中を見ると電気がついてシャワーも使われている。
「七音、いい加減にしろ。入るのは構わないがせめて僕の後に入れ」
ジャアアアアアアア!!
シャワーの勢いが強くなった。
どうやら聞こえないふりをするらしい…。
「七音!オイ、聞いてるのか?」
ジャアアアアアアア!!!
シャワーの音が大きくて声が聞こえない。
アイツッ…(怒)
ついに堪忍袋の緒が切れた雨宮はノブに手をかけた。
「返事をし…」
ピクン
ところがギリギリの所で手が止まった。
咄嗟の所で目に入ったのは
着替えを入れる為に用意した大きめのバスケット。
その中にはピンク色のパジャマ。
バスケットの横にクマのスリッパ。
どこからどう見ても、七音の持ち物じゃない。
それにこれは…
小さめの花柄のブラジャー。
「…………。」
ガチャンッ!!
雨宮は慌てて廊下へ飛び出したが…
美空「あああ!ミヤ君がエマちゃんの入浴シーンを覗き見した!」
廊下を歌いながら歩いてきた、最悪な人物と鉢合わせをしてしまった。
男の顔はみるみる赤くなる。
「違ッ…違う!断じて違う!扉は開けていない///
僕は中に入っているのがお前だと思って…」
「うわ!ミヤ君ムッツリー!ちょっと皆聞いてよー!ミヤ君がエマちゃんの…」
「やめろ馬鹿!何度言ったらわかるんだ!僕は見てない!」
走り出した美空を、柄にもなく雨宮は全力で追いかけ始めた。
「なんで入ってないんだ、お前は!入ってろよ!」
「え!?だってミヤ君が入るなって言ったじゃん!」
「お前だったら普通入るだろ!空気を読め!」
「はぁ!?どーすりゃいいの!(笑)」
・
・
・
エマ「お風呂…あがりました…。次…入って…」
雨宮「……え?///あぁ、ありがとう。ちなみに風呂に入っている時、外が騒がしかっただろう。
あれはねずみが出てきて、慌てて全員で退治していた音なんだ。
風呂場の近くでようやく捕まえる事が出来た。
その為近くが騒がしかったのだ。
君が気にする必要はない。
ゆっくりしていてくれ」
エマ「……?」
日晴「…雨宮さん、あんなに早口で彼女に何を説明してるんすか?」
雪之原「あははは〜。僕し〜らない♪」
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