……………

窓から見える空も既に真っ暗だ。

星が点々と輝いて、最も大きな丸い月がまるで絵のように浮かんでいる。


夜の10時。

全員が入浴を済ませ、のんびりと寛いでいる時間だ。




『そこで取材班が目撃したものは…』


プチンッ!


「あっ…」


テレビの画面が突然、外と同じ真っ黒に変化した。


「ちょっ!雨宮さん、なんで消すんすか!リモコン貸してください!」

「10時になった。就寝時刻だ」

「今テレビ観てたじゃないっすか!取材班が何を見たのか気になって就寝なんて出来ないっす!」


日晴が急いでリモコンを取り返そうとしても、彼はすぐにそれをクローゼットの中に放り込む。



「ダメだ。人間は最低10時に就寝しなければ、翌日のパフォーマンス能力が10%減少してしまう」

「どこの迷信っすか!大丈夫ですって!」

「ここは僕の家だ。泊まると決めた以上、お前らにはここの掟に従ってもらう」

「チェッ。相変わらず頭ガチガチっすね」

「なんとでも言え。オイ、そこで雑談してる奴らも集まれ」






家主から号令がかかり、次の日に備えて少し早めに就寝する事になった一同。

全員がリビングルームへ集まる。


美空「よし!皆で一緒にミヤ君のベッドで寝よう!」

日晴「美空さん、この人数じゃさすがに無理っすよ」


確かにシングルベッドに男5人と女性1人が眠るなんて、一体何人がベッドから振り落とされるか予想がつかない。

相変わらず呆れた提案を出す美空に対し、雨宮は冷めた視線を送る。


「ふざけた事を抜かすな。ここは僕の家だ。家主以外がベッドに寝る事など許さん」

雪之原「えぇ?じゃぁ僕達はどこに寝るのぉ?」

「お前達はここで寝ろ。ホットカーペットもあるし、大きめのバスタオルでも被せておけば最低限の寒さは凌げる」

日晴「客にバスタオルをかけて寝かせるつもりっすか?」


自分から招いた記憶はない。と、眼鏡を持ち上げた冷たい眼鏡野郎。

頭は良いくせにこういう所は全く融通が利かない。



「あと、エマは僕のベッドの下に布団を敷き、そこに寝かせる」

「え!?ミヤ君だけエマちゃんと一緒の部屋で寝るつもり!?なにそれズルい!」

「ズルくない。仮にも若い女性がお前達のような思春期真っ只中の男共に囲まれて眠るなんて危険極まりない。

クラウディならともかく、お前ら3人と一緒に寝かせるなんて、狼の檻に羊を放り込むのと同じだ。

彼女は責任持って、僕が見ておく」


口を開きながら携帯を打ち込み、エマに自分と同じ部屋で眠る事を指示する雨宮。







美空「自分だってエマちゃんのお風呂覗いたくせに(ぼそっ)」

雨宮「だから覗いてないと言ってるだろうが!」







咳払いしてやたらむせかえり、呼吸を整えた眼鏡。

頬を若干赤くしたまま時計を見上げた。


「とにかく、もう10時を5分も過ぎている。洗面所から各自バスタオルを…あぁ、もうクラウディが持ってるな。(なんで持ってるんだ?)
勝手に好きな場所で寝てろ」

日晴「え?枕投げはいつやるんすか?」

雨宮「そんなものはやらない。エマ、こっちに来い」

「………ッ…」



ガチャン。



手招きをされて、彼女と眼鏡だけベッドルームに入ってしまった。



「…………。」


取り残された4人は言葉も出なくて、部屋は一瞬だけ静かになった。



日晴「はぁ。相変わらず真面目すぎるっつーか、頑固というか…」

美空「チェッ。いいもんねー、後でフワフワのミヤ君のベッドに侵入するから!」

ガッ!←クラウディに肩を掴まれた音


雪之原「あはははー。バスタオル一番大きいのもーらい」


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