……………


「起きろ」

「……んむぁっ…グッ……。…お姉さんッ…可愛いねぇ……僕とぉっ……メロンパ…むにゃむにゃ…」

「七音、起きろ」


意識が徐々に現実世界へ戻ってくる。


「……あぁ…お姉さん…おはよーのちゅ……んむっ…」


見えるのはお姉さんではなく、ふたつの四角。


これは眼鏡だ。



「うわっ。なんだミヤ君かよぉ!せっかくいい夢見てたのに」

「お姉さんじゃなくて悪かったな。起きろ、起床時刻だ」

「起床時刻って…まだ6時じゃん…夜だよ」

「お前の一日は夜が一体何時間あるんだ?退け。デカい図体が何体も転がっていたら邪魔だ。

ほら、クラウディも響介も奏も起きろ」


眠っている男達の肩をひとりずつ揺らしながら跨いでいき、最後に大きなカーテンを開いた。

朝日が真っ直ぐに部屋に注ぎ込ん…ではこない。

まだ薄暗い空模様だ。



「……おはよう…ございます」


そこで隣の部屋の扉が開き、髪を結っていないエマが現れた。

目を擦ってウトウトしている姿は、まるで子リスだ。


「ああ!エマちゃんおはよぉ!ミヤ君に何もされなかった!?大丈夫?」

「…?」

「お前じゃないんだからするわけないだろ」


バスタオルを畳みながら、雨宮は口を開いた。

結局昨夜は何の騒ぎも起こらなかったし、彼女もゆっくり眠れたのだろう。


「あぁ…腹減ったっす…。雨宮さん、朝ご飯は…」

「あぁ、すぐに準備する。クラウディ、手伝ってくれ」


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