……………


「ジムさん。皆さん。終わりましたよ」


廊下で待っていたのは、治療と手術を担当してくれた比較的若い男の医師だった。


「はいっ…あの…彼の容態は…?」

「もう大丈夫ですよ」

「「…ッ!」」




地獄から一気に天国へ。


全員は極度の不安から解放され、心底安心した表情に変わった。




大丈夫。


大丈夫だ。


俺達は何も失っていない。


「よかった…ありがとうございます!!」

「いえ、とんでもない」


手を取り合って喜ぶ仲間達。

先頭に立って深々と頭を下げたジムに、医師は説明を続ける。



「口からの出血が酷く若干肺が潰れていましたが、骨折も手や肋骨、大腿骨のみでしたし、重傷には変わりありませんが命に別状はありません」

「本当によかった…!安心しまっ…」







「ただ…」






突然、医師が白衣のポケットに手を入れて言葉を濁らせた。


命は助かったというのに、その表情はなんだか晴れない様子。




「ただ…なんですか?」

「全身への爆発的な激しいダメージ、それと同時に極度の精神的な苦痛。ヘルメットを付けていたので脳自体にダメージはほとんどなかったのですが…その…」


再び医師の言葉が詰まる。


何を言いたいのかわからなくて、ジムは問いかけた。


「…なんですか?」

「現在、目を覚ましていますので会ってみてください。そうすればわかります」


「………っ…」


訳がわからないまま、一向はナイジェルのいる治療室へ案内された。


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