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元々体を鍛えていた為、ふたりの回復力は普通の人間と比べて大分早かった。
ナイジェル自身も記憶はないが、体の感覚は自然に身に付いているらしい。
3ヵ月後には医者から退院の許可が下りた。
まだレースに出場する事は禁止されていたが、元のウィンディラン本部に戻れる。
その事実がサラには嬉しくて仕方がなかった。
当日、いつもはナイジェルが運転するワゴン車を今回はジムがまわし、仲間全員が揃って退院したサラとナイジェルを迎えに来た。
またこうやって、仲間達と何事もない普通の生活が送れる。
ビッキーみたいにぴょんぴょん飛び跳ねる事はしないけど、心が満たされて思わずそうしたくなる程の幸せを感じていた。
それと一方で、記憶を無くしたままのナイジェルの事は気になって仕方がない。
見知らぬ土地に連れて行かれ、窓の外を見る彼は不安を隠せない表情だ。
15分かけて車はようやく本部ゲートを通過。
目に入った見慣れた建物に、視線が窓から離せなくなる。
駐車場にワゴンを停め、全員は車を降りた。
「…ここは?」
「ここが話をしてたウィンディラン、モトクロスバイクレース場。お前の家みたいなもんだ」
「家?」
「そうだよ!私達はこの中のスタンドでバイクレーサーの仕事をしながら、寮で共同生活を送ってるの!」
「共同生活を…貴方達と?」
「そうだとも!ナイジェル君の部屋は、入って二階の201号室だ!付いて来たまえ!」
ボビーが走り出し、ビッキーが走り出し、
背中を押されて、彼は自分が今まで生活をしていた「家」という場所へ案内された。
こうやって、記憶を無くす前の自分の部屋やレース会場を見せてあげれば、全部思い出すんじゃないかと仲間達は考えていた。
ナイジェル、早く帰っておいでよ。
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