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……………


「おっかえりー!遅かったね、ふたりでどこ行ってたの?」


玄関で出迎えてくれたのは、夜でも変わらずテンションの高いビッキー。

聞いているだけで疲れてくる耳に響く声の高さだ。


「ちょっとその辺をブラブラね。晩ご飯出来てる?」

「今丁度食べてた時間だよ!おいでよ!」



テーブルに並んでいたのは、カップ麺と日本から買ってきた漬け物一種類。

見た目からしてなんとも質素で、料理人の手抜き具合を感じた。


「何?今日の料理当番はボビーだったの?お腹空いてるのに物足りないわね」

「違うよ、今日は僕じゃないよ!」


椅子に座る途中、ボビーが大きな声で反論してきた。


「えっ…じゃぁジム?」

「違う。今日はリッキーだ」

「はっ?」



思わずリッキーの顔を見ると、彼は箸を握ったまま照れ笑いをしている。


「すみませんっ。今日の料理…失敗しちゃって。急遽変更したんです」

「珍しいわね。貴方が失敗するなんて」

「ははっ。こういう時もありますよ」


確かにリッキーが料理を出せない程失敗するなんて初めてだ。

少なくともここの男性陣の中では飛び抜けて手際が良いし、レパートリーも結構多いのに。

この間作ってくれたチーズドリア(デザート付き)なんて、私が作った料理より美味しかった。

全員でプロになれよと突っ込んだのを覚えている。


「失恋でもしたのか?(笑)」

「違います」

「失敗作はどうしたの?」

「猫にあげました」


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