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……………
ガチャン!
リッキーは放心状態のまま、自分の部屋に飛び込んだ。
「はぁっ…はぁっ…」
息が切れる。…苦しい。
鍵をかけてそのまま玄関に座り込んだ。
サラは俺に優しくしてくれた。
からかって、笑った顔を見せて、俺の手に触れて…
凄く…こんなにも凄く好きなのに…
彼女は別の男性とキスをしていた。
俺の気持ち…多分、知っているのに。
結局彼女は、俺の事を子どもくらいにしか見ていないんだ。
俺が年下だから、ペットみたいに扱っても構わないとか…そういう風に考えているのかもしれない。
そう思いたくなくても、心臓の奥から黒い部分が外へ溢れ出してくる。
自分でも…こんな裏の顔があるだなんて知らなかった。
脳内で整理が全然つかなくて、無心で頭を両手で強く掻き毟る。
血が出てしまいそうな程、爪を立てて。
もう…俺もダメなのかもしれない。
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