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……………


滑り出しからサラは順調に走り、ファイナルラップに入った時点で1位に躍り出ていた。

10代の頃から男性顔負けの実力を持つと言われていた彼女。

コーナリングやランディングを得意とする彼女が、この第8コースでトップに出る事は今までほとんどない事だった。

よほど神経を集中させているのか、ベテランのジムや天才肌のリッキーを一気に引き離す全く隙のない完璧な走りを魅せる。



『凄い!凄いぞ、サラ・ヒル!
最近の彼女はあまり調子が良くありませんでしたが、ようやく実力が戻ってきたようです!』



「いけぇ!サラ!!」


ファンの歓声が会場中に広がるが、


今の彼女にはほとんど聞こえていない。


それほど目の前の道を走る事に夢中になっていた。






私はもう…あんなヘマはしない。





あんな事故を起こしてしまったからこそ…私はもうミスを犯したくない。


怪我を負わせ、記憶さえも失ってしまったナイジェルの為にも。



風で自慢の長い金髪が揺れる。


残り半周を過ぎ、サラの一位は目前に迫っ…











「……ッ…!」




























ブオオオオオッ!!!!!



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