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……………
「ちょっと、どうなってるのよ!」
「寒い!早く中に入れてー!」
「落ち着いてください!順番にひとりずつ並んで!」
「ッ…!」
扉が開くとそこは人の山。
エマは足が竦んで美空の後ろに隠れてしまった。
「エマ、大丈夫か?」
「ヒャッ!」
「あぁ…悪い」
心配した雨宮が横から肩を叩こうとしたが、それにさえ過剰に反応する。
…本当に大丈夫なのだろうか?
『大丈夫×2!エマちゃんなら出来るよー!なんたって僕がスカウトした子だもん!』
「でもっ…」
美空は特に心配をする様子もなく、見本のチケットをポケットから取り出した。
『お客さんが見せてくれる紙があるんだけど、その紙がこれと同じだったら、このはじっこの点線部分を切り取ってスタンプを押してまたお客さんに返す。出来るよね?』
「…ッ……」
美空は期待を込めた笑みをヘラッと浮かべる。
七音君には嫌われたくない。
でも…こんなにたくさんの男の人…
「無理するな。僕が急いで別のスタッフを用…」
「…やりッ…ます…」
「………ッ…」
エマの返事に雨宮は目を見開く。
「さすがエマちゃん!それでこそ僕が見込んだ女の子だよっ!」
不安気な雨宮をよそに、さっさと受付ゲートまで美空は彼女を連れ出した。
「オイッ、本当に大丈夫か?」
「もうー、ミヤ君は相変わらず心配性だなぁ。
大丈夫だって!もうひとりの受付のお姉さんもいるし、なんとかなるって。
さ!ここはエマちゃんに任せて、僕達も裏方のスタッフさんの所にいこ!」
「あ…あぁ…」
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