……………

「4曲目の『オーロラスカイ』の際、ここにライトが当たる予定でしたが、急遽こちらへライトが当たる事になりましたので気をつけてください」

「OK」

「うぃっす」


スタッフとのライブ直前の打ち合わせ中。

いつもは一番真剣に聞いているはずの男が、今日は何故か落ち着きなくソワソワしていた。


「雨宮さん?大丈夫っすか?」

「あ?あぁ…」

「いつもより落ち着きがないよぉリツ君。そんなにエマっちが気になるのぉ?」

「……ッ…///周りが誤解する言い方をするな、奏!」


周りの目を気にして、彼は癖で咳払いをして誤魔化した。


「受付も客を正しく誘導する重要な仕事だ。ライブは既に始まっているというのに、ここから躓いてしまっては元も子もないだろう」

「そんなに心配なら、見に行ってあげればいいじゃないっすか」

「それは出来ん。今は大切な最後の打ち合わせ時間だ。僕が席を外すわけに…わっ!」


突然背中を押されて、前に倒れ込みそうになった。

慌ててズレた眼鏡を戻しながら、雨宮は後ろを振り返る。


「な、何するんだ、クラウディ!」

「♪」

「んっ…?」


彼の手には小さなメモが握られていて、その中にはスタッフが忠告した内容が全て事細かに書かれていた。


「お、さすがクラウディさんですね!打ち合わせの内容は全部自分がメモってるから行って来いって事っすよ!」

「だが…」

「大丈夫だってぇ。ほら、もうすぐナオ君が戻って来ちゃうよぉ。きっとバレたらからかわれるだろうねぇ」


「…ッ…別にからかわれる筋合いはない。
きちんと自分に与えられた任務を遂行しているか確認しに行くだけだ」


また咳払いをする。

どうやら行く気になったらしい。


「クラウディ、すまないがメモを頼んだぞ。響介、奏、お手洗いに行ってくる」

「「はーい。行ってらっしゃーい」」













雪之原「あはは。リツ君、可愛いねぇ」

日晴「ホントっすねぇ」

クラウディ「………。(コクン)」


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