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……………
「はぁ!?お前、バレルに食べ物を与えてるのか!?」
「違っ…いや、合ってるけど。そんな野良猫に餌をあげてる感覚でやってるんじゃないよ」
日本の夜空は綺麗だ。
アメリカから見上げる夜空も綺麗だけど、日本は街並みが綺麗だからこの美しさが余計栄える。
住み初めて2年が経つマンションの窓から、まるで絵画のようなその光景を見て、ローラは電話口の兄と会話を続ける。
「ローラ…。もうアイツに絡むのはやめた方がいいんじゃないか?アイツ巷でも悪い噂しか聞かないぞ?
この間も見知らぬ不良とケンカして、相手の前歯を折ったとか聞いたけど」
「前も言ったでしょ?私はバレルさんを助ける、決意表明だって。それにお兄ちゃんだって本当にあの人が心の底から悪い人に見える?」
その質問をぶつけると、ごろんとベッドに寝転がるような雑音が聞こえた。
「そりゃ俺だってアイツは根っからの悪者じゃないとは思ってるよ。
でも大事な妹がそんな良くない噂の立つ輩に近づいてると思うと、どうしても不安になるんだ」
「大丈夫。私はバレルさんを信じてる」
「俺達が信用しても、アッチが信用してくれないと意味ないだろ」
「…………。」
電話口から声が聞こえなくなる。
やはりなんだかんだ言いながら、ローラにも多少自分の決断に迷いがあるようだ。
「でも、私はやっぱりあの人を助けてあげたい。
それが間接的な方法でも、あの人の力になりたいの」
「んん…」
話によると彼女が行っているのは、怪我と食事に困っている彼に食料と治療用品を渡しているだけ。
それも手渡しじゃない。
実際、バレルがそれを使用したり食べているかもわからないわけだし。
「わかった。
まぁ、アイツも好き好んで暴力を振るってるわけじゃないって言ってたしな。ただし、必要以上は近づかないように。いいな?」
「うん。わかってる」
「わかればよろしい。じゃ、明日も仕事だから切るぞ」
「はい。事故しないようにね」
「了解」
ピッ
普段通り、兄との通話を終えたローラ。
「ふぅ」
小さく息を吐いて、再び閉じていた携帯を開く。
「…ごめんね、お兄ちゃん」
宛先に「バレルさん」の表示。
返ってきた事もないメール。
でも月に数回、彼女はこうやって彼にメールを送っている。
短めの文章に画像を一枚。
アドレス変更の知らせも来たし…
嫌がってはいないって捉えていいんだよね。
To:バレルさん
From:ローラ
件名:こんにちは
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バレルさん。栄養が偏らないようにちゃんとお野菜やお魚も食べてくださいね。
あと、小さな傷を負った時は絆創膏ではなく空気が入らないようラップを巻くと傷の治りが早いようです。
機会があれば一度試してみてください。
では、また。
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ニンジンやキャベツのキャラクターの画像を添付し、そして送信。
これでよし。
顔を上げ、真っ暗な夜空に彼の姿を思い浮かべた。
たくさんの星が広がっている。
貴方はまだ誰にも見つけてもらっていない光。
でも…いつか絶対私が光らせてあげるから。
また来週。
バレルさんの為に、食料と救急用品を準備しなきゃ。
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