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……………
ピンポーン!
「バレル君!3番テーブルお願い!」
「チッ。面倒臭ぇな、ガヤガヤと暇人共が」
昼食を取りに来店する客で騒然とする店内。
バレルがバイトとして働いているファミリーレストラン「ジョイント」だ。
5番テーブルのおばさんが追加注文をしたいと店員を呼び、1番テーブルに座っていた家族連れの子どもがジュースをこぼし
10番テーブルに座っていた客が食べ終わりレジへと向かう。
既に満席で、4名ほどのウェイトレスやウェイターが目まぐるしく動き回っていた。
裏の厨房も大忙しだ。
「オラ!グズグズしとらんで早く行け!」
バレルの後ろで喚いているのは、彼の半分の身長くらいしかないこの店の店長。
このファミレスの一番の権力者だ。
バレルにとっては一番面倒臭い口うるさい親父。
「チッ…」
言われた通り3番テーブルに向かう。
「えっとぉ〜ジョージ何食べるぅ?」
「僕はマリーと同じものがいいよ〜」
「え〜!私がジョージと同じ物を食べるのぉ!」
「えーそうだなぁ、じゃぁせーので食べたい物を指さそう〜!せーのっ!」
バレル「…………。」
ガシッ!←男(ジョージ)の胸ぐらを掴み、持ち上げる音
「注文決まってからボタンを押せ…。コッチは貴様らの遊びに付き合うほど暇じゃねんだよ」
「ヒィイイイッ!!!!!」
これがバレルのいつもの勤務態度。
とても「お客様を第一に考えた素晴らしい接客」とは言い難いが、密かに彼は迷惑な客の用心棒として他の仕事仲間からは信頼されている。
店長にはいつも雷が落ちそうな程叱られているが…
「お前は何度言えばわかるんだ!お客様は神様とあれだけ言っただろう!なんだ、あの接客態度は!」
「…別に。腹減ってる客に注文を促しただけです」
「だからって客の胸ぐらを掴んで持ち上げる接客が許されると思ってるのか!?」
「持ち上げる事によりお客様より目線を下にして、自分なりに敬意をはらってたんです」
「どんな敬意のはらい方だ!そんな偉そうに相手を敬ってる奴初めて見るぞ!」
このバイトを始めて数ヶ月。
入社当初より彼もだんだん店長に口応えをするようになってきた。
文句を言いながらも辞めずに続けている所から、このバイトは案外気に入っているようだが。
ピピピッ!!
「………。」
「いいか?もう一度教えるぞ!我々働いている人間にとってお客様はお金を払ってくれる神様だ!
我々はそれに見合う最高のサービスをお客様に提供…ってオイ!説教してる最中に携帯触ってんじゃねぇ!ちゃんと聞け!」
「…………チッ…」
「舌打ちしたな、バレル!もう明日から一週間お前は謹慎だ!!」
From:R0_0331jr@…
件名:今日また帰国します
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バレルさん。
お久しぶりです。
今日またアメリカに帰国します。
バレルさんにお渡ししたい物がありますので駅前で会えませんか?
本日はバイトの日だと思うので帰りに少し寄ってくださるだけで構いません。
午後5時 駅前で待っています。
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来たのはあの女からのメールだった。
何度も何度も懲りずに。
彼の眉間にはハッキリとシワが寄っていた。
「ん?バレルどうした?怒ってるのか?」
「うるせぇ、ジジィ」
「ジ…ジジィだと!?お前また!!『店長』と呼べと前から言ってるだろーが!」
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