……………


―バイバイ、クラウディ君。

今日は本当にありがとう―…





訊けなかった。

『どうしてそんな辛い思いをしてまで、その男に優しくするの?』


言えなかった。

『そんな男ダメだよ。ローラさんに相応しくない』


ベッドの中に潜り、何度も何度も考える真夜中。

眠れる気なんてしないよ。

こんな気持ちで良い夢なんて見られるはずがない。

窓から外を見上げると、暗い空に明るい星が点々と浮かんでいる。





どうしたらいいのだろうか。





恐らく自分は…その人物の存在がなければ、いつかは彼女にこの想いを伝えていた。

でもそういう人がいると知った今、躊躇ってしまう強い感情が自分の本当の気持ちを抑制してしまう。

自分が彼女の邪魔をするわけにはいかない。

話によるととても良い人とは思えないが、それでもローラさんは懸命にその男を想い、そして行動をしている。

今の自分なんかきっと…到底恋愛対象には入っていない。



「………。」



ローラさん…

もうアメリカを飛び立っただろうか。


クラウディはようやく、瞼で瞳を覆い隠す。


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