9
……………
とある平日の木曜日。
キーンコーン…
ここはweather lifeの5人が通う高等学校だ。
彼らは芸能人であると同時に歴とした高校生である為、夕方まではここで普通の学生と同じように勉学に勤しみ
そして授業が終わった夜に事務所に集まって歌手としての活動を行っている。
一日の授業が終わると雪之原と日晴はゲームセンターや食堂に寄り道したり、美空は女の子と遊んで帰ろうとする所をいつも雨宮に阻まれて事務所まで連行されている。
そしてクラウディはというと、こちらの4人とは全く別のクラスである為、ひとりで事務所へ向かう事の方が多いらしい。
チャイムの音と共に授業が終わり、帰り支度をしていると…
「クラウディ!」
「ッ…?」
聞き慣れた低めの男の声。
その声に彼は扉の方向へ首を回し、そしてそれと同時にクラス全体がざわつき始める。
「B組の雨宮君よっ!ウチのクラスに来てくれるなんて!」
「weather lifeがふたりもいるよ!マジこの学校ヤバい!」
このような声がちらほらと聞こえる。
これが芸能人の性というもの。
特にその声に反応する事もなく、クラウディは席を立って雨宮の方へ向かった。
「あぁ、悪い。騒がせてしまって」
雨宮の言葉にも別に気にする様子なく、首を横に振るクラウディ。
「どうだ?今日は久しぶりに僕達と一緒に帰らないか?」
どうやら一緒に事務所へ行こうと誘いに来てくれたらしい。
肝心の美空がいないけど「僕達」という事は、どこかの縄に縛り付けてきたのかな?
「…………。」
しかしその提案にも、先程と同じように首を横に振る回答が返ってきた。
「忙しいのか?」
「ごめんね!」と言っている表情で顔を傾げて笑う。
どうやら別件で用事があるようだ。
「そうか。わかった。じゃ、また後で事務所で」
「♪」
この質問にはすぐに首を縦に振った事から、学校から事務所へ行く間に何かやらなければいけない事があるようだ。
クラウディは七音のように、しょうもない考えで動いたりはしない。
余程の事情があるんだな。
それを察し、雨宮は教室を出た。
「あ、帰っちゃった!ねぇ、クラウディ君!雨宮君とか他のメンバーのサイン貰ってきてよ〜」
「(首を横に振る仕草)」
「え〜!なんでダメなのぉ!」
内緒♪と指を自分の唇にあて、そしてクラウディも教室を出て行った。
今日は学校が終わったらあそこへ行く。
朝から決めていたのだ。
これはいくらチームメンバーでも譲れない。
学校の校門をくぐり抜けていつも通っている横断歩道を渡り、すぐにタクシーを手を上げて止めた。
「どこまで行きますか?」
クラウディの言葉を聞き、タクシーはある場所へ向かって走り出した。
- 529 -
*PREV NEXT#
ページ: