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……………
「お待たせしました。ホットケーキとゴボウの天ぷらになります」
料理を運んできてくれたのは先程の強面の店員ではなく、ショートカットの若い女性だった。
何故か「よかった」と独り言を漏らす兄に首を傾げるも、サラは持ってこられたゴボウの天ぷらに手を伸ばした。
「相変わらず…酒のつまみみたいなものを好んで食べてるんだな…」
「美味しいわよ。食べる?」
「…僕はこっちの方が好きだ」
身長177センチ、モデルのようなスタイルで端正な顔立ちの男が、ファミレスの隅っこで大人しくホットケーキをかじっている。
「プッ」
「…何だよ?」
「似合わない(笑)」
「それはそっちも同じだ…」
ふたりはやはり兄妹なのか、笑い方はどこか似ている。
「…サラ…」
「何?」
半分程食べ終えた所でジョンは妹に話しかけた。
「コーヒーが飲みたい…」
「追加注文?なら、そのボタンを押しなさい」
「…ボタン?」
彼女が指さした先を辿ると、気がつかなかったが自分のすぐ横に謎のボタンが置いてあった。
「…なんだ?これは…」
「追加注文する時はそのボタンを使うの」
ピッ
「コーヒーください」
「ボタンに話しかけてどーすんの」
するとボタンを押した数秒後、先程料理を運んできてくれた女性店員が再びやってきた。
「どうかされましたか?」
「………え…?」
サラ「『え?』じゃないのよ。つまりこのボタンを押したら店員さんが来て注文を聞いてくれるってシステム」
「…なるほど。進歩してるな…。…コーヒー…一杯ください」
「承知しました。少々お待ちください」
立ち去るメイド服を着た店員を目で追うジョン。
「ふふ。ガン見ね。奥さんに言いつけるわよ」
「えっ…や……見てない」
「…………。」
ピッ
ピンポーン!
店員「お待たせしました」
ジョン「…本当にすぐ来てくれるんだな……あ、すいません。間違えて押しました」
ピッ
ピンポーン!
店員「お待たせしました」
ジョン「…あっ、いけね。また間違えて押してしまいました…」
ピッ
ピンポーン!
店員(バレル)「何の用だ?」
ジョン「…チェ……チェンジで…」
ピッ
ピンポーン!
店員「お待たせしました」
ジョン「…えっと……フランス産Sランク子羊の丸焼き…ミディアムでお願いします…」
サラ「さっきから何遊んでんの。置いてるわけないでしょ、そんな高貴なる食材」
妹に叱られ、ようやく好奇心お坊ちゃまのピンポンラッシュが終了。
彼は特に表情も変えず、ボタンも大事そうに握ったままだ。
「これは…優れて画期的だな…。いつどこにいても追加注文が可能だ」
「いや、携帯じゃないんだから、それ…」
「これは良い記念になる」
「そんなにそれが気に入ったの?じゃ、こうしちゃえば?」
ゴボウの天ぷらをかじりながら妹は何やら提案をする。
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