……………


「あぁ、さっぱりしたなぁ。やっぱり普段浴びてるシャワーとは全然違うな!露天風呂だと爽快感が違う!」

女風呂からのお色気騒動が終了した後、それぞれはようやく風呂からあがった。


用意されていたバスタオルで体を拭き、浴衣に着替える。

青の古風な柄でますます旅行気分が味わえてきたらしい。

美空や日晴が騒ぎながら、一同は脱衣所を出た。



「あ、リッキー達だ!一緒のタイミングだったね!」

そこで丁度同じタイミングで、隣の「女」と書いてある暖簾の下から女性3人も出てきた。

こちらも髪がまだしっとり濡れている浴衣姿。


美空達と同じ精神年齢のビッキーが、自分の浴衣姿に興奮しているらしく、すぐにジムの元へ走る距離でもないが走ってきた。


「ジョニー!どう!?私の浴衣姿!可愛い!?」

「あ…あぁ。可愛い…///ジムだけど…」

「ひゅうひゅぅ〜!お熱いねぇ」


茶化すなと怒られる美空だが、怒る彼も表情はどことなくデレている。

やはり一番に感想を聞きたがるという事は、なんだかんだでビッキーもジムの事が好きなんだろう。

温泉で温まった赤いほっぺでニコッと笑うと、ジムの顔もますます赤くなる。


美空「ビッキーちゃん今の超可愛い!ね!もっかいやって、今の!」

ジム「ダメだ。ほら、七音はアッチに行って遊んでろ!」

「えぇ。ケチぃ」

美空を追い払う行動は「彼女の笑った顔は誰にも見せたくない」という心の表れ。

大人と言えど、そういう部分はまだまだ子どもっぽいようだ。





「ん?どうしたの、リッキー」

「え…///いや…その…」


憧れの女性が普段とはまた違う姿で目に映る。

浴衣姿に髪を上げてピン留めしている為、うなじがハッキリ見えていたりと、色気が更に増している。

まさに絵に描いたような「美女」だ。

リッキーはその姿に何も考えられず、ただ呆然と釘付けになっていた。


雪之原「あぁ〜、リッキー君見惚れてるねぇ。僕雑誌で読んだよぉ。君がサラさんに片想いしてるの、ホントな…」

「ちょっ///!ストップストップ!こんな所で何言ってるの!」


慌てて雪之原の口を塞ぎ、「違うんです」と言い訳を並べるリッキー。

改めてそれが周りに知られていると気づくと、途端に恥ずかしくなったのだろう。

全く…男らしい時は案外頼もしいのに。

サラは照れている彼を見て「可愛い」と小さく笑った。


「ん?」


そこで次にふと雨宮と目が合う。


「雨宮君。どうだった?」

「何がですか?」

「決まってるじゃない。せっかく私がプレミアムボイスを聞かせてあげたのに(笑)」

「…………。」


やはりアレはわざとだったのか。

彼が目を向けると、エマは入浴中の自分の声も聞こえなかった為、何も感じていないらしい。

サラの後ろから「どうしたの?」といった目で雨宮を見上げた。



「………ッ…」


まともに顔が見れない。

今見てしまうと、またおかしな気持ちになってしまいそうになる。

慌ててサラに視線を戻すと、彼女は楽しそうに笑っていた。



「勘弁してください…」

「フフ!本当反応が面白いわね、貴方」


眼鏡の縁を上げ、疲れ果てたため息をつく雨宮をよそに、サラはニヤニヤとエマの肩を抱き寄せた。

この人には…今後、相当弄ばれそうだ。

非常に心臓に悪い。



ジム「よし!そろそろ晩飯の時間だ!早く部屋に戻らないと、さっきの大女将に怒られるだろうしな!一同、撤収!」

「「おう!」」


その声を合図に、全員は「桜の間」へと戻り始めた。


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