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……………
入浴を済ませ、桜の間へ戻った一同。
部屋に戻った後、若女将が確認の為部屋を訪れ、
そしてお手伝いさんを含めた数名の女性達が料理を運んできてくれた。
大きなテーブルに並べられたのは鯛をまるごと一尾捌いた尾頭付きの刺身、具だくさんの味噌汁、色とりどりの野菜の煮物、肉じゃが、そして茶碗蒸しに白米。
晩御飯は「和」の心がふんだんに詰め込まれた、見るも鮮やかな日本料理だ。
アメリカの豪快な食べ物とは違い、人参が可愛らしい花柄に切ってあったり少量の金箔が散りばめられていたりと、見た目にも非常に美しくて思わず写真を撮りたい程。
「わぁーっ!超綺麗!」
「繊細だな。見た目の美しさも然ることながらバランスの取れた栄養配分。良い仕事をしている」
ビッキーが感嘆の声を上げ、雨宮が難しい言葉を並べて頷いている。
予想以上のお客さんの反応に、若女将もホッと安心しているようだ。
「見た目にも鮮やかでしょう?うちの一番の自慢はこのお料理なんですよ」
「凄いっすね!若女将さんが作ったんすか?」
「いえ、私は少しお手伝いをする程度で。大方、大女将が作られてます」
「えっ!?」
全員の脳裏に、あの「岩」のような顔が浮かぶ。
再びあの気迫の怒鳴り声を思い出し、身震いする者も。
あの男のようなゴツゴツしたオバサンが、こんな繊細な料理を…!?
ど…毒とか入ってないよね?
どうリアクションを取ればいいのかわからず、誰も口を開かなくなって固まってしまうと…
「プッ!」
「え?」
突然聞こえてきた、誰かが吹き出した声。
だ…誰だ?今笑ったの!?
さっきのオバサンに聞かれでもしたら、また大声で…
「はは。ごめんなさい、そんなに構えなくても大丈夫ですよ。毒も何も入ってませんから」
口を抑えてクスクスと笑ったのは若女将の方だった。
全員の停止してしまった姿が、第三者として見ていておかしかったようだ。
「こんな細かいお料理をあんな強面な大女将が作っている所を想像すると笑えてしまうでしょう?」
「た…確かに(笑)」
「ふふ。百目鬼さんも貴方達が笑って『美味しい』って食べてくれる姿を想像しながら作ってるから、美味しく食べないとまた怒られてしまいますよ」
笑う薄紅の唇。
「そうですね。そういえば残すのは厳禁とか最初に言ってたし」
「食べましょ!誰が作った料理であろうと、僕もう超お腹空いたし早く食べたい!」
「七音、食べる前からはしゃぎすぎだ」
全員の顔に笑顔が戻り、そして…
「では、皆さんお腹も空いていらっしゃると思いますし、召し上がってください」
「「いただきまーす!」」
早速、箸を握ってそれぞれ目に入った好きな食べ物を口にする。
「おぉっ…!美味い!」
肉じゃがを口にしたジムが声を漏らす。
ビッキー「このお魚も美味しいよ!私、お刺身ってずっと食べてみたかったんだ!」
ボビー「ウオオオッ!素晴らしい!今すぐこの黄色いマニョマニョの作り方を教えてくれ!」
リッキー「ボビー、これは『マニョマニョ』ではなく『卵焼き』です」
あまり生活に馴染みのない料理に触れたバイク組も、初めて食べる「和食」の美味しさに感動している様子。
元々日本に住んでいたweather lifeもその味に懐かしさを覚え…
美空「やっぱり和食は美味しいね!お袋を思い出しちゃった!」
日晴「俺や美空さんは、アメリカ来てからはハンバーガーとかパスタばっか食ってましたもんね」
雪之原「リツ君の家に行けば日本食は食べられるんだけどねぇ」
雨宮「僕は白い米以外は体が受け付けない」
ジム「相変わらずだなぁ」
雨宮「割とクラウディも和食を自宅で作ったり、日本のお菓子を買って食べてたりするんですよ」
クラウディ「〜♪(濡れせんべいを懐から取り出す)」
とてもあのゴツゴツしいオバサンが作ったとは思えなかったが、料理は上品でヘルシーで何よりとても美味しかった。
人は見た目に寄らない事をまたひとつ学び、食事は全員が残さず完食。
ご飯の最後の一粒まで残さない事が日本の「もったいない精神」と教わり、それぞれが食材をほぼ残らない所まで食べきった様子。
食事を済ませた後、今後どうするかをそれぞれで話し合い、
一旦自分達の部屋で休むという結論で、女性達は隣の「撫子の間」へ移動する事となった。
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