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……………
「おっはよぉ!リッキー!」
「おはようござ…ムゴッ!」
挨拶代わりにいつものビッキーラブラブタックルでダメージを受けたリッキー。
男性組はとりあえず布団を畳み、顔を洗った後、それぞれの荷物をまとめてロビーへ向かうと、
既に女性3人はロビー中央にある花のオブジェの傍で男性達が来るのを待っていた。
「早かったっすね!サラさん達!」
「私達は早起きして朝風呂してきたからね」
「えぇ!いいなぁ、僕も一緒に入りたかった!」
「七音君、またそれー?」
すると突然、サラの腕に違和感が走る。
下を見ると、エマが恥ずかしそうに彼女の腕を掴んで後ろに隠れてしまっていたのだ。
きっと七音の顔を見て、昨日の事を思い出しちゃったのかな。
…それにしても仕草まで可愛い(笑)
こんな女好きのクズ野郎には勿体ない可愛さだわ。
これにて長かったようで短かった合同温泉旅行が終了。
門の前に昨日乗ってきたバスが再び停まっている姿が見えた。
「皆様、今回は当旅館をご利用頂き誠にありがとうございました」
最後に見送りにやってきたのは、若女将の松本さんと大女将の百目鬼さんだ。
こうやって並べてみると体格の差がありすぎて、本当に同じ人間の女性なのか疑いたくなる。
「当旅館は楽しんで頂けましたか?」
「はい。お料理も美味しかったですし、温泉も景色も何もかも素晴らしかったです」
「それは何よりです。では大女将。最後に何かお客様にお伝えしたい事はありますか?」
「…………。」
まるで壁のような威圧感のある巨体。
なんだか頭のお団子が髷のように見えなくもない。
見下ろす視線に全員が昨日の件を思い出しているのか、息を飲む音がちらほら聞こえた。
「全く…騒ぐなっつっても騒ぐし、こんなかなわん客は初めてやったわ」
「…………。」
とてもじゃないが、お客様に対する言葉とは思えない。
が…
「まぁ。アタシが作った料理、美味い美味い言うて全員残さず食べたから今回は勘弁したる」
大女将は最後の最後に、まるで母親のような笑顔を浮かべた。
そのギャップに全員の瞳が彼女の顔に釘付けになってしまう。
こんな顔もするのか…と。
「…。ありがとうございます。お料理、とても美味しかったです」
代表して雨宮が頭を下げる。
「そこの地味ーな男を可愛がんのもなかなかおもろかったしな。また来てや(笑)」
ジム「…か…勘弁してください」
ビッキー「本当に何されたの?」
今度は大口開けて豪快に笑った大女将。
やはり女性じゃなくて、この人は「相撲取り」だ。
あ…運転手さんが呼んでいる。
そろそろ行かなければ。
「それではお世話になりました。また機会があれば泊まりにきます」
「はい、心よりお待ちしております」
最後に深々と丁寧に頭を下げたふたりの女将。
背を向けて12人は待っているバスに向かって歩き出した。
『楽しかったね、エマちゃん!』
「ッ…////」
バスに乗り込む直前、見せられた携帯電話の画面。
その携帯電話の持ち主は後ろに立っていた美空で、エマはドキッとした反応を見せる。
『隣同士に座ろっ♪』
「う…うん…////」
照れている彼女の顔を見て、ニカッと歯を見せて笑った美空。
何の悪気もない、ただ楽しいだけの笑顔だ。
「じゃ決定ー!バスの中で僕の愚痴を聞いてよ!あのさ、ミヤ君がまたさぁ…」
彼女の耳の事なんて忘れて、満足そうに喋りながらバスに乗り込む。
それでもエマは頬を赤らめて幸せそうだ。
ビッキー「エマちゃん、七音君にお隣誘われたみたいだね!いい感じいい感じ!」
「フフ。ますますこの先が面白くなってきたわね」
サラがクスクスと笑って、ようやく全員がバスに乗車。
そこからまた3時間かけて、バスは集合場所だった海岸通りへと戻るのであった。
fin
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