From:R0_0331jr@…
件名:本日、アメリカに帰国します
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バレルさん。こんにちは。
GWに入ったのでアメリカに帰ってきます。
またお野菜とか色々買ってきました。
保冷箱に入れているとはいえ、最近は暖かくなってきたので早めに食べてくださいね。
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携帯を開くとアイツからメールが入っていた。

数ヶ月前の出来事。

自分と絡んでいた不良に襲われ、傷を負い、そして俺が撃たれる瞬間を間近で目撃していた。

そんな恐怖を経験すれば、大半の奴は恐らく俺と関わらなくなるだろうが、

この女はいつまで経っても俺から離れようとしない。

脳みそがイカれた女だ。


公園のベンチに座っていたバレルは以前のようにメールを削除する事もなく、そのまま携帯電話を閉じた。

周りを見ると騒がしい子ども達が、園内に設置されている滑り台やブランコで遊んでいる。

その傍では親と思われる大人達が、その子達を温かい目で見守っていて…



「…………。」


バレルはその光景を黙って見た後、何も言わずに立ち上がった。

本日は午前中でファミレスのバイトは終了。

特に何もする事がなく、真っ直ぐ自宅へ帰ろうと思っていたが、気がついたら何故かあのベンチにひとり座っていた。



くだらねぇ。

馬鹿馬鹿しい。


公園から離れ、そして自宅へ足を向かわせる。

そういえば腹も減った事だし、コンビニで弁当でも買って帰るか。


本日は12時前に仕事を切り上げた為か、ファミレスでの残り物を持って帰る事も出来ず、ジーンズのポケットに財布を入れただけのほとんど手ぶら状態だ。

急遽、少しだけ遠回りしてコンビニへ向かう事にした。

彼が入ったのは狭い路地裏。

人通りの多い道が嫌いな彼は極力大通りを避け、暗い路地裏など人気のあまりない道を通る事が癖になっていた。

昼間とは思えない暗さ、太陽の光も入らない。

壁に落書きがしてあったりゴミが放置されていたりと、普通の人間は通りたがらない道だがバレルにとってはこれくらいが丁度良い。

妙に響く足音を立てて、コンビニのある通りに出る道を進む。









「君がバレル・ヒューストンって奴かい?」





そこで突然、背後から聞こえた男の声。


「…………。」


返事をせずに振り返ると、自分と同じように目に傷を負った柄の悪い男が立っていた。

何人か子分と思われる男達を引き連れている。



…またか。



どうやら雑魚の縄張りに入ってしまったらしい。

バレルは眉間にシワを寄せて、わざと男に聞こえるように舌打ちをした。



「おうおう。舌打ちとは超余裕じゃないのー。
否定しないという事は、やっぱり君がバレル君なんだね〜。
君の噂は俺達裏世界の人間の間じゃ有名だよ。男10人でもあっさり蹴散らしたとか?とんでもなく強いんだってぇ?」 

「貴様には関係ない」

「関係あるよ〜。俺もね、まぁそこそこケンカが強いって名前が知られてる有名人でさぁ。君といつかやり合ってみたいと思ってたんだよぉ」


坊主頭の不良はわざとらしい口調で言い放った後、太い指の関節を握ってゴキゴキと鳴らした。

なんとも不気味な音だ。


「たまらないんだよねぇ。あの…人を殴った時の快感。泣き叫ぶ声とか苦しみに悶える声とか!
俺に逆らえる人間はいないんだって体で実感出来るから!」

「…………。」

「でもさぁ。最近弱い奴ばっかり殴ってても普段の快感が得られなくなってきたんだよねぇ。
なーんか張り合いがなくて!それで君の噂を聞いて、遊びたいなって思ってたわけ!

君も同じでしょ!人を傷つけてスカッとする気持ちわかるよね!それならさ、お互いの為に…」









「やらん。俺を貴様と同じにすんな」



「…っ…」



バレルは暗い口調で返した。

その表情は冷め切っており、相手と目も合わせない。

坊主男は目を見開き、そしてまたすぐに眉間にシワを寄せる。



「ふーん。口だけは一丁前じゃん。でも君も俺と同じだよ…」


そこで不良の後ろに付いていた3人の男が前に出た。

厳つくて喧嘩っ早そうな、血の気が多い顔だらけ。

ピリピリとした空気が路地裏に張り詰めていた。




「殴られればきっと殴り返す。蹴られれば蹴り返す。言葉で言っても面倒だし…やってみた方が早いよねぇ」



坊主男の顔が狂気に満ちた表情に変貌し、男達が迫ってくる。



「俺は貴様らと遊んでいる時間はない」

「余裕ぶっこいていられんのも今のウチだろーが!殺れ、お前ら!!」


指示と同時に男3人がバレルの元へ突っ込んできた…!


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