……………


再び休憩室に戻った男達の顔。

その顔は言うまでもなく、全ての生きる希望と輝きが失われていた。

リッキーとナイジェルは、食あたりによる腹痛で。

そしてジムとボビーは、魔のキスシーンの精神的ショックで。


サラ「4人とも元気ないわね。大丈夫?」

ジム「全然…大丈夫じゃねーよ。なんでリッキーとナイジェルのキスがキャンセルになったからって、俺とボビーのキスシーンを見せなきゃいけなかったんだ…」

ボビー「………僕の…僕の純潔の唇が…」

リッキー「お腹痛い…。あの卵…やっぱり産地直送じゃなかったから…」

ナイジェル「もう…ダメだ…。ダメなんだ…俺は…。先にお空の上で待ってるから…。もっかいトイレ…」


弱り切っただらしのない男達を見て、サラは「情けない」と大きくため息をついた。



「まぁ、あの作戦はふたりがトイレに行った時点で無しにしてもよかったんだけど、なんかテンション上がっちゃって思わず放り出した私も悪かったわ。
それにしても上手くいかないものね。もういっそあの子と付き合っちゃえば?リッキー」

「え!?ダメですよ!元々はジムの恋人だから、なんとか俺を諦めてもらおうって催しでしょ!?」

「催しって…地区の町おこしイベントみたいに言わないでくれ。真剣に悩んでるんだ、俺は」


サラはもう一度大きな息を吐き、そして髪をかき上げて立ち上がった。


「これが最後の手段よ。というか最初からこの方法しかなかったのよ」

「え?何?」

「私がビッキーに直接話してくる。男相手じゃ面と向かって正直な所は話せないでしょうし」

「え!?ちょ…」

「貴方達は黙って待ってなさい。くれぐれも女の子だけの秘密の女子会に勝手に割り込んでこないでね」


サラはそう言い残すと金髪を揺らして颯爽と休憩室を出た。

直接会って話をするって…大丈夫なのか?


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