……………



「スゥ…スゥ…」


先程の威勢はどこへ行ってしまったのか。

すっかり意識が無くなってしまった軽い体を抱きかかえた。

頬がピンク色に染まり、人形のように眠ってしまっている彼女は、誰から見ても無防備極まりない。

バレルは表情を少しも変えずにベッドに向かい、彼女を寝かせるが




「ンゥッ…」


離そうとした瞬間、眠っているローラに腕を無意識に掴まれた。


「…バレル……さぁっ…」

「…………。」


漏れた甘い声の寝言に、振り解こうとした動きが止まる。

彼女の掴む手にギュッと力が入り、服にシワが寄った。




『離さないで』


そう言っているような表情に、バレルは顔を見たまま動かない。




「…ん…んぅ…」




その瞬間にくたっと腕がベッドに落ち、そのまま気持ちよさそうに寝息を立て始めた。


「…………。」


自由になった腕を引き、ゆっくりと彼女から離れるバレル。

顔を見たまま黙って立ち尽くし。


そして







「あと10秒…俺の腕を掴んでいたら

どうなっていたと思うか?」





夢の中へ行ってしまった彼女にポツリと話しかけ、足元の毛布をかけた。


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