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……………

そこはこの家を知り尽くした者しか知らない小さな隠し部屋。

建物上部に物置としか思えない部屋があり、大きな本棚を動かす自動スイッチを押すと小さな扉が出現。

その扉も一見壁としか思えず、すぐに扉だとは判断出来ないようなものだ。

それに続く階段を抜けるとひとつの小さな部屋に辿り着いた。

非常時に主人を隠す為の隠し部屋。

ここに10年も住み込み家政婦として働いてきたおばさんだからこそ知っている空間だ。


その部屋のベッドにリッキーはサラをそっと寝かせた。


「もう大丈夫ですから。安心してください」

「えぇ…ありがとう」

「その代わり、俺達が迎えに来るまで、絶対にこの部屋から出ないでくださいね」

「………。」



暗い表情で小さく頷いた。

恐らく彼女はまだ現実を受け入れられていない。

少し心配だが今は彼女を信じる事しか出来ず、リッキーと家政婦は部屋を出た。


「家政婦さん、どうもありがとうございました」

「いいのよ♪イケメンの頼みは断れないし!」



「おばさん!リッキーさん!」


そこで廊下から小走りでやってきたのはジョンだ。


「見つかりましたか!?」

「いえ…それよりサラは?」

「ここの秘密部屋に入ってもらいました。とりあえずは安心だと思います」

「良かった…」


現状だが妹の無事に胸を撫で下ろすジョン。

話はすぐにロビンという男の話題へと切り替わった。


「それよりも俺、遠目と後ろ姿でしか見合い相手の姿を見ていなくて、どういう人なのかはっきりわからないんです。何か特徴とかわかっていますか?」

「あ。それならこちらでちゃんと調べてきましたよ…。
えっと…名前は『ロビン・ジャックマン』
年齢は20代で、身長が180センチ程の痩せ型。
肩に付くくらいの金髪で、紺色のスーツを着ています。
あとサラと同じように花のブローチを胸に付けているとか。
あ、それと…ロビンはどうやら拳銃を持っている可能性がありまして…」


特徴を言われてみれば、そんな感じだった気がする。

でもちょっとこのお兄さんと髪の色や体型が似ているから気をつけないとな…

服装が全然違うから多分間違えないと思うけど。


「そうですか…わかりました、わざわざありがとうございます」

リッキーは色々と考えながらも、ジョンにきちんとお礼をする。


「あの…他の人は?」

「はい、まだこの辺一帯を探し回ってるみたいで。この事実は皆知らないんですよね?」

「はい。とりあえず銃を持っているとなると危険ですね。急ぎましょう」

「わかりました」


3人は他のメンバーと合流する為、揃って長い階段を降り始めた。


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