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……………
日曜日。
天気は快晴という事もあり、プラザは大いに人で賑わっていた。
入口に立つ月型のオブジェは、特に待ち合わせをしている人々の目印としてよく使われる。
人々はこれから友人や恋人と会う事を考え、ワクワクしている顔も多い中
ひとりお堅い表情をしている男がいた。
エマと初めての…デートなのか、これは…。
腕時計の針は9時をさしている。
約束より一時間も早く来てしまった。
常に10分前行動を心がけている自分だが、これはいくらなんでも早すぎる。
旅行の日でも、こんなに早く集合する事はまずない。
たかだか遊園地だろう、何を考えてるんだ、僕は…
「うむ」
自らを責めても、来てしまったものは仕方がない。
とりあえず、この一時間をどうするか。
彼女の家に迎えに行ってもいいのだが、あまり張り切りすぎていると思われるのもなんだ。
その辺の適当なカフェにでも入って…
いや待て、もしエマも早く来たらどうする?
せっかく長く一緒にいられるかもしれないチャンスを無駄にしてしまうじゃないか。
さて、一体どうするか。
ピロロロロッ!
そこで黒のパンツのポケットから、バイブの振動と共に電子音が鳴り出した。
これはメールだ。
彼女、寝坊でもしたのだろうか。
雨宮は携帯を取り出し、受信メールを確認すると…
From:美空 七音
件名:なし
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ミヤくんデート????\(^P^)/
END
【選択肢】
ここでエマを待つ
カフェで時間を潰す
→とにかく走って逃げる(決定)
・
・
・
「全くー!なーんで逃げちゃうの!僕がちょっと声をかけただけじゃ〜ん。ね、ヒーちゃん!」
「本当っすよ!しかも雨宮さん、逃げた割には超足遅いし!」
「僕が遅いんじゃない、お前らが速すぎるんだ」
数分後。
雨宮は見事に野生児2匹に捕まり、近くのカフェでココアを奢らされていた。
美空(特技:追っ手を撒く)
日晴(特技:連続バック転)
雨宮(特技:眼鏡早磨き)
美空と日晴は「悪いねぇ」と反省感ゼロでケラケラ笑いながら、調子に乗って店員にケーキを追加注文しだす。
「まぁ。それにしても雨宮さんがエマさんとデートっすかぁ!ちょっとこれは彼女のお兄ちゃん役として締め上げないといけないっすねー」
「は、はぁ?」
「冗談だって。ミヤ君ったらビクビクして可愛いー!」
もちろんこれから誰と会うのか隠し通せるわけもなく、エマと会う事はすぐにバレてしまった。
何故…よりにもよってこの時間、こんな場所で遊んでいるんだ、不良共が。
「うるさい(怒)僕には時間がないんだ。それを食べたらとっとと帰ってくれ」
「ミヤ君ったら遊園地のチケット持ってるんなら、なんで僕を誘ってくれなかったの!?僕とミヤ君の仲じゃん!」
「何故、僕が好き好んで男と遊園地なんか行かないといけないんだ」
「あぁ!雨宮さんも遊園地は女の子と行きたいとか願望あるんすね!ちょっと安心したっす!」
「くだらん事で安心するな。それに今日僕が彼女を誘ったのは、仕事で少し疲れているようだったからだ。特別深い意味はない」
「だったら僕だって疲れてるし〜!あ!じゃ、ミヤ君のチケットを頂戴!僕がエマちゃんとふたりで行ってくるから!」
「お前にやるくらいなら、今ここで燃やした方がマシだ」
雨宮は不機嫌そうに眉をひそめて腕時計を見る。
9時55分。
なんだかんだしている間に、既に集合5分前になっていた。
それを確認して椅子から立ち上がる。
「とにかく。時間だから僕はもう行く。お前らは地元のゲームセンターにでも行って…」
「「なぁに言ってるのぉ???」」
「…っ」
するとつられるように、美空と日晴も立ち上がる。
その口調は何かを企む雪之原みたいで。
悪い事を考えているとしか思えない顔だ。
「せっかくこんな面白いネタを見つけたのに…」
「こんな所で帰るわけないっしょー!」
「…………。」
雨宮の脳裏に最悪の展開がよぎり、ティーカップをカランと皿の上に置いた。
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