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……………


『はぁい、皆さんお疲れ様でしたー。レバーを持ち上げて、左側の階段から下へ降りてくださいー』


「大丈夫…っ…?…雨宮…君…」

「あぁ……大丈夫だ。予備の眼鏡は用意している」


体調を心配するエマをよそに、フラフラした手つきでどこからか新しい眼鏡を取り出して、それをかける雨宮。

ジェットコースターの衝撃で眼鏡がふっ飛んでいくハプニングに見舞われたものの、さすがに乗っている最中には三択は出てこなかった。


しかし油断してはいけない。

アイツらの事だ。

最後の最後まで僕を困らせる何か仕掛けを用意しているに違いな…



「疲れ…たし…そろそろ…帰りましょう…か」

「…え?」



何?

今までしつこく出てきた選択肢が出てこないだと…!?

もしかしてアイツら…やっと飽きて帰ってくれ…






「痛っ…」

「ん?エマ、どうした?」


美空達を探そうとする前に、エマが突然後ろでしゃがみ込んだ。

ふと膝を見てみると赤い傷がある。


「ごめん…っ…なさい…。はしゃぎすぎて……膝…擦りむいて……しまった…みたい…」

「大丈夫か?見せてみ…



………………ん…?」

















「……//////!!」



これは……

これは、世に言う…



スチルというものではないのか!!?









お前ら、どこで三択出してんだぁッ!

邪魔だ!

三択が邪魔で肝心な部分が全く見えない!







というか、どんな選択肢だ!?

全部お前らの願望だろ!!




ふざけるな。


もうアイツらの遊びには付き合ってられん!


こんなもの、もう意地でも帰ってや…





エマ「…………。」

雨宮「…………。」






嘘だろ…。




やっぱり、動けない。


まさか…このうちのどれかを選ばないと、一生このままなのか…!?




固まったままのエマと雨宮。


周りの人間も皆停止していて、時が止まってしまったようだ。




ふざけるな…


どれ選んでも印象最悪だろ。


ふざけるな…ふざけ…







そして、ふいにポケットから携帯電話を取り出す雨宮。



「あまみっ…や…く…?」


パシャッ←写真を撮る音








エマ「………。」



夕暮れ時の遊園地。

周りが時間を取り戻した瞬間に、冷たい風が園内に吹いた。


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