【東側】


「ねぇねぇ、弥生ちゃん!葛西君とは何年の付き合いなの!?」


1階を一通り回り、何も異常がない事を確認して階段を登っている途中、懐中電灯を握っている弥生に話しかけたのはビッキーだった。


「ウチが隣の家に越してきた、小2の頃からや」

「へぇ!幼なじみって事は同い年?」

「ウチが2つ下」

「いくつなの?」

「宗ちゃんが20で、ウチが18」


本当に今、肝試しの最中なのか。

ここは恋バナ談義室ではないのか。

疑ってしまうような質問がポンポンとぶつけられるが、弥生も淡々とそれに答えている。


「随分気に入られてるじゃん〜!それに葛西君、喋らなかったら結構良い感じの和風男子っぽいし!付き合ってるの!?」

「…付き合う?」

「そうそう!」


その質問をぶつけられ、前だけを見て受け答えしていた弥生がようやく足を止めて彼女の顔を見た。


「え!?その反応!やっぱりそうなの!?」

「ちゃいます。ウチ、生きてる人間には興味ないねん。アイツが死んだら考えたってもええですわ」

「惨!なにその歪んだ愛!」

「あぁ…でも…。宗ちゃんは死んでもあの調子っぽいから、やっぱ嫌や」

「そうだな。死んでもなお、魂まで胡散臭そうだし」


小さな壷を持ったジムの呟いた声が背中から聞こえた。




「えぇ〜、じゃぁ好きな芸能人とかいるでしょ?どんな男の人が好きなの?」

「尾崎豊。松田優作。ジョン・レノン」

「全員故人じゃん!(しかも渋い!)」


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