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……………
1時間後、6人が辿り着いたのは行き慣れた運動公園だ。
普段はツーリングの休憩所に使ったり、仕事の息抜きにやってくるのどかな場所だが、今日だけは意気込みが違う。
なにせ…
【10年ぶりの大雪祭り!地域雪合戦大会!】
掲げられた大きな幕を見上げる6人の姿は、まさに雪国の戦士。
堂々とした足取りでそのゲートを潜り、受付会場で選手登録を行った。
「急に決まったイベントにしては、結構人が集まってるね!」
「そうね。賞金が大金と知ったら大人は居ても立ってもいられないんでしょ」
サラとビッキーが辺りを見回すと、家族や友人などを集めた6人組のパーティーが既に何組か広場に集まっていた。
これは俄然やる気が出てくる、とビッキーはピンクのニット帽を深く被り直す。
朝に大量に降っていた雪はやみ、天気は曇りで雪溶けの心配もない、絶好の雪合戦日和だ。
『えー、皆さん。こんな寒い中お集まり頂き、大変感謝します』
時計の針はあっという間に12時を回り、参加申し込みの受付は終了。
そして壇上に上がったのは、マイクを手に持ったこの大会の主催者、地区会長だ。
コートにマフラー、厚手の手袋と防寒対策をばっちり決め込み、集まった選手達に向かって演説を始める。
『えーと…どこからお話致しましょうか。私が小さかった頃の…』
説明するまでもないが、大して面白い話もないので省略。
昔から雪が降ったら街ぐるみで盛り上がったや、雪合戦は決まった時期でしか遊べない特別なスポーツなど
散々会長の思い出話を聞かされ、演説は終了した。
その後、急遽大会実行委員に選ばれた若い男性が壇上に上がり、この大会の説明を始める。
『えー、今回ご参加頂いたチームは20組です。皆様、本当にありがとうございます。
この20組の中から頂点を決めるべく、トーナメント形式として申し込み順に勝手ながら表を作成させて頂きました。
トーナメント表を1チーム1枚ずつお配りしますので、各自確認をお願いします』
係員からA4サイズ程の紙を渡され、早速皆で覗いてみる。
チーム「走り屋(ナイジェル命名)」の最初の対戦相手は、近所のおばさん達の集まり、チーム「熟した果実」。
一発目からこの大会の最強グループと言っても過言ではない。
ジム「オッシャ、全員気合いを入れるぞ!勝てば大金を山分けだ!」
ボビー「円陣を組みたまえ!足手まといになった奴はビッキーちゃん以外まとめて僕と同じ顔に整形してもらうからよろしく!」
サラ「ビッキー以外全員、負けたら死ぬと思って戦いなさい!」
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