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……………
先程の試合のせいで雪の状態がめちゃくちゃになった為、急遽雪が荒らされていない綺麗な場所へ会場を変更。
話は戻るが、強敵チーム「weather life」を激闘の末打ち破り、ついに決勝戦までコマを進める事が出来たチーム「走り屋」。
「ついにここまで来たな…」
ジムがトーナメントボードを見つめ呟く。
「相手は今まで何チームをも倒してここまできた強豪チームだ!
だけど俺達だって半端な実力で勝ち上がってきたわけじゃない!天気を操れる奴らにだって勝ったんだ!俺達はきっと強い!
ここまで来たからには絶対に優勝するぞ!」
「「オッシャ!」」
それぞれが「勝利」という目標を掲げて力強く頷く。
迎えた第4試合。
これが本当に最後のバトルだ。
『ついにやって参りました!雪合戦大会ファイナルラウンド!
決勝戦の幕開けです!
対戦するのはこのチーム!
運も実力も伊達じゃない!相手の隙を突くチームプレーで決勝戦まで登りつめた最速スピードチーム「走り屋」!
そして迎え撃つのはこの集団!その強さ故に他チームを全く寄せ付けず、勝利街道を走り続けた今イベント最強と謳われる強豪チーム…』
「あ〜。ジムさんやないですかぁ。こんにちはぁ」
「…え?」
「こん」が下がったと思ったら「にちは」から声のトーンが上がる独特のイントネーション。
聞き覚えのある男性の声が耳に入り、チーム走り屋は全員思わず振り返った。
「まさかあんさん達が出場してはったとは知らんかったですわ。ほんま冬は寒ぅてかなわんわぁ」
うざったいほどの長髪。
縁のない眼鏡。
和傘がなんとも似合って腹が立つ、先日廃病院で知り合ったばかりの葛西とかいう男だ。
「葛西っ!?なんでお前がこんな所に」
「雪合戦ある言うから、面白そうやなと思いまして。なぁ、やよちゃん?」
「寒いから帰ってええか?」
「楽しそうやな、やよちゃん♪連れてきてよかったわ〜」
隣に立っているのは、彼の幼なじみの衣笠 弥生。
同じく先日廃病院で出会った、霊が見える特殊体質を持った女の子。
寒さが苦手なのか、コートにマフラーにマスク、耳当てまでばっちり防寒対策をしている。
「相変わらずお前ら会話が噛み合ってないな。あ、そうだ!俺達これから決勝戦に出るんだ!ちゃんと観客席で応援しろよ!」
「しませんわ、応援なんて」
「は?」
ふいにリッキーから肩を叩かれジムがボードを見上げると、決勝戦の相手…
チームの名前が「カサイーズ」と表記されている。
「…え?まさか次の対戦相手お前達なのか!?ってか出場してたのか、お前ら!」
「当たり前やないですか。優勝賞金が30万と聞いたからには、この葛西君が参加せずにおられるわけがありまへん!
でも、僕達もまさか相手がジムはん達やなんて思ってなかったですわ」
「でもそっちはふたりしかいないじゃん!チームには最低6人が必要なんでしょ?」
「アホな事言わんといてください、ビッキーはん!やよちゃんにこない危ない競技参加させるわけないでしょ!雪玉当たって怪我したりしたら大変ですやん!
まぁ、他のチームメンバーは僕がその辺から適当にかき集めてきました(仮)チームです」
「適当に…?」
【カサイーズメンバーその1・2 セレブリティ弾丸ホームレス親子】
「やぁ!今日は貴重な市民の質素な遊びを体験させてもらうよ★」
「キャャアアアア!!!!!ナイジェルすぅあああん!!」
葛西「この人達は近くの公園に住んではったロビンはんとそのおばはん」
「「…!?」」
【カサイーズメンバーその3 爆乳プリティボディギャル】
「チョリーッス!この間測り直したら、またおっぱい成長してた〜みたい系で頑張り卍!ヨォ〜ロ〜ピ〜クゥ↑↑」
葛西「この人はボビエはん。まぁ大して可愛くないですけど、人数集めの為にナンパさせてもらいました」
「「…!!!?」」
【カサイーズメンバーその4 眠れる城のぼっちゃま】
「…………寒い…」
葛西「ジョンはん。なんやどっか偉い家の坊ちゃんらしいけど、奥さんに家追い出されて路頭に迷てる所を僕がたまたま保護させてもらいましたわ」
「「…!!!!!?」」
【カサイーズメンバーその5 ゴロツキ】
「…………。」
葛西「えと…この人は…名前なんやたけ?バルーンはん?」
「バレルだ」
葛西「そやそや。この人は……そやな…。なんかお煎餅ちらつかせたら勝手に付いて来てくれはりました。なぁ、バルンはん?」
「バレルだ(怒)」
「最強じゃねーか!!!Σ」
ジムが思わず大声で叫び、その声はフィールド全体に響き渡った。
「何?このチーム!これで人数合わせだけのカッコ(仮)チームなの!?どこのチームよりも強いわ!そりゃ決勝までくるわ!
つーか、バレルお前まで何やってんだよ!
こんな人殺しそうな恐ろしい顔して、こんなに可愛いおにぎりせんべいに釣られたのか!?」
「バルンはん、お腹空いてたのか雪に砂糖と塩かけて食べてはったんですよ。えらい個性的な味覚の持ち主ですわな」
「「貧乏か!!」」
なんとも想定外。
決勝戦での対戦相手はなんと、葛西率いる個性も能力も最強クラスの異色知り合い集団だった。
驚く間もなく、早速実行委員がルール説明に入る。
『それでは決勝戦のルールの説明を致します!
決勝戦は今までのルールからガラッと変更し、見てください!先ほどまでフィールドを区切っていたラインがありません!
つまりこの試合は選手がどの場所へ動いてもOK。相手の背後にまわり背中を狙う事も可能になります!
今まで通りいくつかの盾は用意してありますので、それに上手く隠れつつ相手チームの選手がどこにいるかを正確に把握する事が勝利への鍵となります!』
周りを見渡すと、だだっ広い銀世界の広場にいくつかの盾。
なるほど。今度は仲間同士が自由に散らばって敵を狙っていくスタイルになるらしい。
今までより動ける範囲が広くはなるが、相手に狙われる可能性も高くなる。
『それでは早速シンキングタイムを設けます!時間は3分!この間に知力の限りを尽くして作戦を練ってください!
シンキングタイムスタート!!』
〜シンキングタイム〜
ナイジェル「大丈夫か…?アイツら多分今までの敵とは比べ物にならねーぞ?全員こっちずっと見てんだけど。目がマジなんだけど」
リッキー「お金が命という人と、お金がないと命がない人達ばかりですからね」
サラ「作戦としてはそうね…。雪之原君達の時同様、戦力リーダーになりそうな人を最初に倒した方がいいんじゃない?」
ボビー「僕の可愛いボビエを狙う奴は、鼻と口に大量の雪を詰め込むからよろしく」
ジム「そんな話はしていない」
ビッキー「それならやっぱりバレル君じゃない?今までケンカで負けた事ないんでしょ?」
ナイジェル「全体的に色んな意味で全員強そうだけどな。戦力で言うとやっぱ奴か」
ジム「よし。作戦決定。最初に全員がかりでバレルを潰し、そこから一気に攻め落とすか」
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