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……………


多くの白熱したバトルが繰り広げられ、積もった雪まで溶かす程の熱気がおさまらない中、第一回雪合戦大会は無事に幕を閉じた。



『では、優勝チームに商品を贈呈致します。「カサイーズ」の皆様は壇上へお上がりください!』


実行委員の男性が笑顔で手招きをし、
葛西を筆頭に健闘を見せたボビエやロビン親子、試合を決めたジョン、
そして試合会場から走り去っていたバレルも戻ってはきたが、大勢の前に立ちたくないのか嫌々そうに手作りの壇上へ登った。



ビッキー「いいなぁ…私も欲しかったぁ、30万円」

ジム「それは仕方がない。皆全力を出し切った結果だ」

サラ「そうね。出し切った結果が可愛いアサガオパンツって事で」

ボビー「大体なんで開いてるのが君なんだい。僕はビッキーちゃんとナイジェル君の下着以外興味がないのだよ」

リッキー「あ!そうだ、いい作戦を思いつきました!次は全員チャックを開けて出場しましょう!それで相手の視線を股間に集中させるんです!」

ナイジェル「オメェ、いい加減自分のキャラを把握したらどうだ?
その顔で考える作戦が『全員がチャック全開で視線を股に集中させる』なんて、世の中の女子が聞いたら失神するぞ」


惜しくも2位となったバイク組も、観客席から壇上を見上げている。



『それでは大会の主催者兼地区会長より優勝商品が贈呈されます!』


ワクワクワク!と文字が目に見えてテンションが上がる葛西。

太り気味の会長が壇上へ上がってきた。


「えぇ…それでは読み上げます。貴殿はチームをまとめその力を遺憾なく発揮し、他強豪チームを退け…」

「あーもう!そういうお堅い話は要りまへんから!早よ!」

「ははは。せっかちだねぇ、君は!心配しなくても商品は逃げたりしないよ」


急かす葛西の為に、布をかけられた「優勝商品」が運ばれる。

葛西の目は開きはしないが表情から輝きが漏れ出して、ボビエやママも身を乗り出す。




「さぁ、受け取りたまえ!


優勝商品30万円…」




葛西「わぁあぁあ↑↑↑↑↑↑↑」



「相当の輪ゴムだ!!」




葛西「あああああぁぁぁ…ぁ…………ぁ…↓↓↓(憔悴)」






なんと目の前に出されたのは「賞金30万円」ではなく、


「30万円…相当の商品」であった。




しかも誰がチョイスしたのか、その商品は橙色の輪ゴム。



30万円相当という事もあり、こんなに要らないという程山盛りにそれが特大カゴに詰め込まれていた。


それがメンバーひとりひとりに配られていく。

葛西やジョンの手、もちろんバレルの手にも。





「「………………」」




葛西はゆっくり手に乗せられた輪ゴムを見つめ…












「ジムはん、あげるわ」












ジム「えっ…?」



「あげる」

「あげる」

「あげる」

「あげる」


ジム「えっ?ちょっと…」



パチンッ!


「イテッ!おい、誰だ今ゴム鉄砲してきた奴は!オイ!バレル!お前だろ!何すん…」


ジョン「あ…。ジムさん、そのセーター表裏逆ですよ」

「えっ!?マジで!?はは…恥ずかしい////こんなに大勢の前でセーター裏返しで着てたなんて///は…恥ずかしい!」






「「…………。」」



冷めた表情でその光景を見ているチーム「走り屋」


サラ「寒いし帰りましょうか」

ナイジェル「そーだな…」

ボビー「寒いから僕の美声を聞きながら帰るがいいさ!」

リッキー「そうですね…皆でミュージカルしながら帰りましょうか」







身も心も冷え切った仲間達5人は、自分達のリーダーをひとり残し、ありのままの姿で歌いながら会場を去って行った。





ジョン「あ。ジムさん…そのセーター前と後ろも反対ですね…」

ジム「マジかよ!こんな大勢の前で、前後逆の裏返しセーター、チャック全開だったのか!////

は…ははは…恥ずか…(省略)」






fin


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