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……………


次の日。

陽も落ちかけている夕方だ。

学校での授業を終え、いつものようにweather lifeのメンバーは事務所に集まるが、そこにエマの姿はなかった。


「やっぱり来てないっすね」

「仕方ないよぉ、昨日あんな事があったんだもん」


日晴と雪之原の会話にも美空は無言のまま。

背中を向けているため、その表情を窺い知る事は出来ない。



「彼女の事は少しそっとしておこう。音合わせを始めるぞ。準備しろ」

「はぁい〜」

「うっす」

「(コクッ)」


雨宮の一声に全員が学校の荷物をロッカーに仕舞い、制服のジャケットを脱ぐ。


自分が無理に来なくていいと言ったんだ。

気持ちの整理をするには、まだ時間がかかるだろう。

それに僕が昨日突然抱き締めてしまって、彼女も非常に動揺していた。

来ていない原因は、一部僕にも責任がある。


ひとつ大きな咳払いをし、雨宮は隣の音合わせ部屋へ向かう。



「あれぇ?ナオ君、来ないのぉ?」

「…え?…あ、あぁ…。行くよ」


美空が手に取って見つめていたのは、棚に置いてあった紙。

以前、エマと一緒に作っていた詩の一部だ。


あの時までは、お互い笑い合って平和だった。


「…………。」


それを元の位置へ戻し、美空も4人の後に続いて歩き出した。


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