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ここはアメリカの某空港。
旅行へ行く人や故郷へ帰ってきた人。
他にも見送りをする人や、もちろんお仕事をしている人も。
今日もこの空港は大勢の人で溢れ、いくつもの飛行機が青空へ向かって飛び立っている。
3月31日。
今日は私、ローラ・リバースの誕生日だ。
誕生日という事でお兄ちゃんから「パーティーをやりたい」と連絡があって、仕事のお休みも取れたし久しぶりにアメリカに帰る事になった。
昨日の夜に飛行機に乗って、日本から何時間。
眠っている間に私の故郷へと到着し、まだ陽が照っているお昼前にこの空港に辿り着いた。
このままウィンディランへ行ってもいいんだけど、その前に私には行かなくてはいけない場所がある。
手にはお土産というより…食料の入ったクーラーボックス。
あとはちょっとだけのお菓子。
あの人がまたいつもみたいにお腹を空かせて待っているのだ。
先日、バレルさんに帰国する旨メールをすると「わかった」と、その一言だけが返ってきた。
端から見ると顔文字も、句読点さえなく冷たいメールに見えるが、返信が来るようになっただけでも私にとっては大進歩だ。
以前は返信の一通も返ってきた事さえなかったのだから。
きっと今日も彼はお腹を空かせて待っている。
今日の曜日はいつもお休みになっているはずだし家にいるかな?
バレルさんにお土産を渡してご飯を作ってあげたら、お兄ちゃんの所に行こう。
ローラは設置している空港の時計で時間を確認し、トランクの取っ手を引っ張る。
そして建物を出てすぐタクシーに乗り込んだ。
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