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……………
あの騒がしかったバーベキュー。
その日からカレンダーを指で辿れるくらいの日数が経過していたある日の夕方。
ファミリーレストランでのバイトを終えたバレルは、普段と同じ引きずるような足取りでアパートへ向かっていた。
見えてくる、住んでいる自分さえ古いと思える老朽化した建物。
自分の部屋へ戻るために錆びた階段を上がる。
こちらももちろん、そろそろ底が抜けるんじゃないかと思える程ボロい。
今日も無事に登り終え、一番奥の扉まで歩く。
グゥ…
腹から漏れる音。
今日は休日で客が多く、普段よりも忙しかったようだ。
随分とお腹が減っている様子。
手に握っている袋には、夜食のコンビニ弁当とファミレスの残飯パックが入っている。
「……………。」
ようやく扉の前まで辿り着いたバレルは、ノブに手をかけようとした瞬間ふと何かに気がつく。
一通の封筒が扉に挟まっているのだ。
チラシなどがポストに入っている事は多いが、こんな所に封筒が挟まっているのは長い間住んでいて初めて。
扉を開くよりも先に、弁当の入った袋を握ったままバレルはそれを引き抜いた。
真っ白の中に赤い糊の液体で封がされている。
異様な封筒。
広告にしては趣味が悪く、もちろんこの男に手紙を書いてくれる友人などいるはずもない。
糊を剥がし、何気なく中に入っている紙を取り出してみた。
【復讐の為に地獄から這い上がってきた。
もうあの頃の俺とは違う。
さぁ、次はお前の番だ】
線さえ入っていない白紙に、その3行だけがパソコンの文字で印刷されている。
こんな手紙、普通の人間なら怯えて気味悪がるに違いない。
しかし考えてみれば、バレルの周りはケンカをふっかけてくる頭のおかしな連中ばかり。
1人や2人、このような陰湿な嫌がらせをしてくる雑魚がいてもおかしくはない。
ただの悪いイタズラだと思ったらしく、そのまま封筒ごと捨てようと、紙を中に戻そうとする。
が
「………。」
まだ数枚、封筒の中に何かが入っている事に気づいた。
弁当の袋を腕にかけ、それらも取り出してみると…
写真だ。
どこから撮ったのかもわからない、バレル自身の写真。
道を歩いている姿。
ファミレスで働いている姿。
家に入ろうとする姿。
何枚も自分の写真が入っていた。
気色悪い。
随分とストーカー気質で、イカれた趣味を持った奴だ。
一枚ずつ見ながらそう思っていた。
ペラッ
「っ…」
しかし最後の写真を見た途端、初めて彼の眉がピクッと反応した。
6枚入っていた写真。
5枚目までは全てバレルの写真だったが、6枚目だけは彼ではない…別の人物が写っていた。
ローラの写真だ。
彼女が買い物をしている所を盗撮した写真。
…復讐の為に地獄から這い上がってきた。
もうあの頃の俺とは違う―…
もう一度、手紙の内容を読み返す。
「チッ」
振り返って周りを見渡すも、自然の草木が風になびいているだけで、そこには誰もいない。
気味が悪い程静かで
これから始まる恐ろしい出来事を予感させる風だった。
さぁ
次はお前の番だ。
fin
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