――翌日


ミーンミーン…

蝉の声がうるさく鳴り響く8月。

サラは黙って40度を示した温度計を見ていた。


ミーンミー…

バリーンッ!!


ジム「サラ、蝉に温度計を投げつけるな。命を大切にしろ」

昨日の情熱的な夏の暑さはどこへやら。

室内は湿気のこもるまるでサウナのような状況で、6人の姿は海に行く以前の姿へ逆戻りしていた。

扇風機をスカートに入れて暑さをしのいでいるビッキーも口を挟んでくる。


「仕方ないよー、だって40度だよ?アレン、暑さのあまり影が薄くなってきてるんじゃない?」

「それは元も…ジムだ。お前女だろ?そんなはしたない格好するなよ」

昨日と同じ光景。同じような会話。

そして昨日同様またまた部屋の向こうから、むさくるしい男達の声が耳に入ってきた。


「オイ、リッキー。昼ドラの『ボタバラ』録画しとけっつっただろ?何でしてねんだよ?」

「何を言ってるんですか?『ボタバラ』なんてもう古いんですよ。今の時代、バラ業界の最先端を行くのはずばり『ベルばら』です」

海パン姿のナイジェルと、アイスランド行きのチケットを握っているリッキーがまた醜い夏のケンカを繰り広げていた。


「それドラマじゃなくてアニメだろ!?大体、ベルばらなんてボタバラより古いじゃんかよ」

「あ、ベルばら馬鹿にしましたね!ベルばらは累計発行部数2000万部以上の大ベストコミック!みんな、買ってね!」


ゴチンッ!!

ふたりは背後から近づいてきたジムに氷の塊で殴られ気絶。


「これでちょっとは涼しくなるんじゃないの?」





その頃ボビーは、リッキーよりひと足早く北の大帝国ロシアへと旅立っていた。


fin


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