あぁ…良い天気だなぁ。

もう何にも縛られたくねぇ。

いっそ、このままどこか遠くへ行ってしまいた…









「ナイジェル♪何やってるんですか?」

「…………。」


灰色の髪がさらっと降りてきて、無駄にキラキラとした笑顔の男が現れた。

はぁ。また鬱陶しい奴が来た。

もう無視だ、無視。

庭で寝転がって昼寝をしているナイジェルにリッキーは近づいて声をかけ続ける。

「ねぇ、無視しないでくださいよ。何してるんですか?」

「見りゃわかるだろーが。息だよ」

「何してるの?と訊いて、真面目な顔して『息』と答えられても」

ナイジェルは不機嫌な顔をしてすぐに背中を向けてしまった。

彼は毎日何が楽しいのだろうと思う程、日々の生活で活動意欲が全く感じられない。

普段からそうなのだから特に気にしないのだが。

とりあえずつまらない。やっぱり何か反応が欲しい。

大人しく退散する様子もなくちょこんと横に座ってみた。


「俺は今、息をする仕事で超忙しいんだよ。構って欲しいんならジムに遊んでもらってこい」

「ジムは忙しくないんですか?」

「アイツは俺と違って暇人だ」

「ナイジェルが息をするので忙しいのであれば、暇人のジムは息をしていない事になるのですが」


リッキーの反論も再び背を向けられあっさり無視された。

仕方ない。ここは「アレ」を取り出すしかないか。


「ナイジェル。ねぇ、これ見てください♪」

「何…ムゴッ!」


突然視界が真っ暗になり、ふわふわとした感触に押し潰された。

寝転がっているナイジェルの顔に無理やり乗せられたのは、3匹の毛だm…子猫だ。


「今朝、散歩してたら捨てられた子猫を拾ったんですよ!可愛いでしょ?」

同じく猫のような可愛い笑みを浮かべるリッキー。

子猫はあちこちに散らばり、無邪気に男の上で遊び始める。

ニャーニャー…ゴロゴロ…ニャー

1匹は彼の顔面で爪を研ぎ、もう1匹は服の中に潜り込み、そしてもう1匹は靴を噛みちぎり…


「リッキー…」

「あも…たまんないです☆えっと、この白黒の名前が宗一郎で、この灰色がエリザベート。そしてこの真っ黒がファンファンで」

「うぜぇ!国を一つに統一しろ!」


ついにナイジェルの怒りが頂点にまで達し、力いっぱいその子猫を投げ飛ばした。


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