1
あぁ…良い天気だなぁ。
もう何にも縛られたくねぇ。
いっそ、このままどこか遠くへ行ってしまいた…
・
・
・
「ナイジェル♪何やってるんですか?」
「…………。」
灰色の髪がさらっと降りてきて、無駄にキラキラとした笑顔の男が現れた。
はぁ。また鬱陶しい奴が来た。
もう無視だ、無視。
庭で寝転がって昼寝をしているナイジェルにリッキーは近づいて声をかけ続ける。
「ねぇ、無視しないでくださいよ。何してるんですか?」
「見りゃわかるだろーが。息だよ」
「何してるの?と訊いて、真面目な顔して『息』と答えられても」
ナイジェルは不機嫌な顔をしてすぐに背中を向けてしまった。
彼は毎日何が楽しいのだろうと思う程、日々の生活で活動意欲が全く感じられない。
普段からそうなのだから特に気にしないのだが。
とりあえずつまらない。やっぱり何か反応が欲しい。
大人しく退散する様子もなくちょこんと横に座ってみた。
「俺は今、息をする仕事で超忙しいんだよ。構って欲しいんならジムに遊んでもらってこい」
「ジムは忙しくないんですか?」
「アイツは俺と違って暇人だ」
「ナイジェルが息をするので忙しいのであれば、暇人のジムは息をしていない事になるのですが」
リッキーの反論も再び背を向けられあっさり無視された。
仕方ない。ここは「アレ」を取り出すしかないか。
「ナイジェル。ねぇ、これ見てください♪」
「何…ムゴッ!」
突然視界が真っ暗になり、ふわふわとした感触に押し潰された。
寝転がっているナイジェルの顔に無理やり乗せられたのは、3匹の毛だm…子猫だ。
「今朝、散歩してたら捨てられた子猫を拾ったんですよ!可愛いでしょ?」
同じく猫のような可愛い笑みを浮かべるリッキー。
子猫はあちこちに散らばり、無邪気に男の上で遊び始める。
ニャーニャー…ゴロゴロ…ニャー
1匹は彼の顔面で爪を研ぎ、もう1匹は服の中に潜り込み、そしてもう1匹は靴を噛みちぎり…
「リッキー…」
「あも…たまんないです☆えっと、この白黒の名前が宗一郎で、この灰色がエリザベート。そしてこの真っ黒がファンファンで」
「うぜぇ!国を一つに統一しろ!」
ついにナイジェルの怒りが頂点にまで達し、力いっぱいその子猫を投げ飛ばした。
- 8 -
*PREV NEXT#
ページ: