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……………
「……ッ」
銃声が鳴り響いた廊下は、今は物が破壊される音も走る音も人の声さえ何も聞こえない。
周りで見ていたジム達は呼吸をする事さえ忘れた。
床に倒れ込んでいるのは隙を突かれたナイジェルではなく、彼の後ろを取ったはずのロビン。
彼のスーツの肩部分には、弾がかすって破れたような跡がある。
彼はその肩を抑え、男の姿を見て愕然とした。
「…オマッ……左…」
ナイジェルが銃を握っているのは、先程まで戦闘で使っていた右手ではなく、
初めて使う左手。
銃を右手から左手に咄嗟に持ち替え、ロビンよりも早く正確に引き金を引いていた。
「悪いなぁ。オジサン本当は左利きなんだ」
「…………。」
ヘラッと人を馬鹿にしたような緊張感のない顔を見せる彼。
この一発でロビンは完全に自らの負けを認めたようだ。
信じられない、と吹っ飛んでしまった自分の銃を見てため息をついた。
その光景を目の当たりにしたビッキーは居ても立ってもいられず、隠れていた柱から飛び出す。
「ナイジェル凄い!めっちゃ格好良かったよ!」
「うるせぇ!それより早く家政婦のババァを探しに行け!何かあったに違いねぇ!」
「あ…うん!わかった!」
全て終わった。
そう確信したジムとビッキーは急いで家政婦の声が聞こえた方向へ走って行く。
ボビーは家政婦の代わりに警備員を呼ぶ為に別の方向へ。
ロビンは観念した。
おばさんは心配だが、とりあえず今はコイツを捕まえておけばこれ以上被害が出る事もない。
一件落着と言ったと…
「良いんですか?そんなに仲間をバラバラにしちゃって」
「あ?」
床に座り込んでいるロビンの言葉に、ナイジェルは気の抜けた返事をする。
「何言ってんだ?お前は俺が見張っておくから…」
「やはり気づかなかったんですね?私に共犯者がいた事」
「……ッ!?」
目の前が突然真っ白になった。
犯人は…ひとりじゃない?
「きょ、共犯者!?誰だ、そいつは!?」
ナイジェルは瞳孔を開きながら、思わずロビンの胸ぐらを強引に掴んだ。
「この私の計画、結果的に得をするのは誰でしょう?」
「それは…お前んとこ一族だろ」
「ああ。私と、私の父と母…」
納得のいかない答えにナイジェルの腕の力はますます強くなる。
「だからなんだ!?言っとくけどな、もし共犯者がいたとしても、サラは隠し部屋に匿ってるからすぐには見つかるはずねーぞ!?」
「見つかるよ。すぐに」
「なんでだよ!?何の根拠が…」
ロビンは奇妙な笑みを浮かべた。
「当たり前じゃないか。だってその人物は、隠し部屋を教えてあげた張本人なんですから」
「…………ッ…………」
ナイジェルの頭に最悪の展開がよぎる。
脳内に浮かんでいるひとりの女性。
まさか…
まさか…!
「そう。あの家政婦…
私の母親なんだ」
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