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……………



「フグァッ!煤v


頭から床に倒れる男。

その瞬間、衝撃で口から唾液が飛び散る。


「エドォ…まさかお前が女ひとりとっ捕まえられねぇ軟弱者だったとはなぁ。俺は知らなかったぜぇ」



薄暗い「あの」部屋の中。

他の下っ端達が見ている前で、荒く髪を掴まれて無様に持ち上げられる。


「スティガーの方は上手くやったってのに、全くお前はダメな子だなぁ」

「すい…ません…。あの女…予想以上に逃げ足が早くて…」

「本当かぁ?単純にお前の足が遅かっただけじゃねーの?」



息をゴクリと飲み込んで目を瞑る。

指示された命令を遂行出来なかった以上、これは何らかの落とし前をつけなければならないかもしれない。

男の足がガタガタとわかりやすく震え始めた。


周りの奴らに見られている中で


俺は…



ガシャン!


髪を握られたまま、乱暴に床へ額を押し付けられる。


「ググッ…!」

「ほら?ごめんなさいは?」

「ごっ……ごめッ…」

「声が小さーい」

「ごめんなさいッ!!」


手を離され、次は靴の裏で頭を踏みつけられてグリグリと。



「違うだろーが。ボス様の言う事を聞けなくてごめんなさい。間抜けで鈍足な僕でごめんなさい。だろーが」

「ボス様の言う事を聞けなくてごめんなさい!間抜けで鈍足な僕でごめんなさい!!」

「何寝転がってんだ。そういうのは土下座しながらだろ!」

彼は土下座をさせられ頭を踏みつけられ、何度も何度も同じ謝罪をさせられる。

その光景を見て、他の下っ端達はケラケラと笑っていた。


「チッ。今回で最後だ。次に俺の言う事が聞けなければ…その時はわかってんだろうな」

「は…い…」


ようやく離された足。

吸っていたタバコの煙を大量に吐き、ボスと呼ばれるスーツの男は部屋から出て行った。

どうやら今回はこれだけで済み、深いお咎めはなしのようだ。




「クッ…」



殴られた瞬間に出た鼻血を腕で拭う。

床には今の衝撃で欠けた自分の歯が転がり、踏んで擦られた際に抜けた髪の毛も数本散らばっていた。

頭がジンジンと痛む。

無様な俺の姿を見て、他の下っ端達はまだ馬鹿にしたように笑っている。




クソッ…




クソッ!!!!




この俺がこんな醜態を晒されるとは!!




腸が煮えくり返りそうだ。




全て…


全てあの女のせいだ。




女だからと舐めていたが、もう容赦しねぇ。



次はぜってぇ…



ぜってぇとっ捕まえて身も心もボッロボロにしてやる。


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